いやナニ、いろいろ書いたがこれも別に難しいことでもなんでもない。コツは1つ。そう、一にも二にも「相手をよく見る」ということであります。
文字どおり、よく、見る。それだけ? はい、それだけ。でも、この「ミル」という2文字を実際に行動に移すことがもたらす威力は、まったく侮れないものなのだ。
見るべきことは案外いくらでもある。服装、髪型、年齢、歩き方、話し方、家族構成、ライフスタイル……などなど。やってみればわかるが、ある程度の時間をかけてちゃんと「見て」いれば、別に探偵を雇って身辺調査などせずとも、その人がどんな性格で、どんな暮らしをしているか、何が好きなのか、相当なレベルのことが自然にわかってくるものなのだ。
気を使ったり使われたりする相手のいるシアワセ
もちろん「見る」というのは目だけの仕事ではない。五感をフルに働かせ、相手が誰かと雑談しているのをフムフムと横で聞いたり、あるいは自分で直接何気ない雑談をしたり……といった小さな行動を日頃から積み重ねていくことである。
これがしっかりできていれば、いつの間にやら「何を差し上げたら喜ばれるか」がちゃんとわかってくるのだ。
例えば――。
私が日々通っている豆腐屋のおっちゃんは、いつも頭に手ぬぐいをしていて、話が好きで、お酒が好きで、食事はあっさりとした昔ながらのものを好み、外食はほとんどせず、店は早朝から奥さんと二人で切り盛りしていて、喧嘩しながらも夫婦仲が良くて、膝が悪いので立ち上がったり座ったりするのに苦労していて……となれば、まずはお酒やカンタンな肴を持っていけば喜ばれるだろうなと想像できる。手ぬぐいもOK。
しかし食材は要注意。おばちゃんは凝った料理などしている時間がないのである。また湿布薬など手に入った時は差し上げてもいいかもしれないが、ご高齢なので慣れないものは使いたがらない感じである。その際は確認した方が無難であろう。
また近所の米屋の姿勢のいいおっちゃんは元野球選手で、今も少年野球の監督をしていて、しょっちゅう孫とキャッチボールなどしておられる元気者。ならばきっと食べることはお好きであろう。
奥様との雑談で「甘いもの好き」ということも判明したので、果物やパンは喜ばれるかも……と思って念のため確かめたところ「大好き」とのことだったので、大量に入手してしまった時は、ありがたくせっせと運ばせていただいている。
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