「攻めの経営」ばかり説く社長が会社を潰す必然 守りは「全体を把握」できていないと不可能だ

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BSのいい例は次の図です。変化の激しい時代は、このように「流動資産が多くて、直接資本が多い」状態が大事です。

出典:『生き残る会社をつくる 「守り」の経営』より

資産が多くあっても、土地建物などの固定資産が多ければ、それらはすぐに現金化できません。変化の激しい時代は即時対応が求められますから、素早く現金に交換できて必要な資産を買えないといけません。

守りを固めるためには流動性も重要です。昨日の成功の方程式が、今日、通用しなくなったりするからです。そんなときは、素早く新しく必要になった設備などを購入して、新しい方法に挑戦していかないといけません。ですから、売りにくいものを資産として持っていても防衛資産にはならないのです。

また借金よりは、自前のお金で資産を用意できたほうがいいので、この図のように③負債よりも④純資産が多くなっている状態がいいです。

BSが「悪い状態」とは?

反対に悪い状態は、この図の反対になることです。固定資産が多くあって、借入金(負債)も多くあるようなパターンです。こうなると自由に動ける幅が狭く、ピンチに対応するにしても時間がかかります。

一度、自社の「BSがどのような状態なのか?」を、これら4つの領域のバランスで分析してみてください。 

次ページ「守りの視点」2つめのポイント
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