「住宅ローン控除見直し」マイホーム派への影響度 控除率が縮小されたら購入希望者はどうすべきか
住宅ローンを借りると所得税などが還付される「住宅ローン控除」について、控除率の縮小が政府・与党内で検討されています。住宅ローン控除はマイホーム購入を支援する国策として機能していました。なぜ衆議院選挙後の今、着手するのでしょうか。
2021年は10月末に衆議院選挙が実施され、自民党と公明党による連立政権が維持されることになりました。「分配」をキーワードにした岸田内閣の下で突如持ち上がったように見える住宅ローン控除の見直し問題。実は、岸田氏が首相になる以前から、ささやかれていた内容なのです。
税制改正大綱が毎年注目されるワケ
直近の住宅ローン控除に関する税制改正は、2021年度に実施されました。消費税の10%増税に伴う住宅取得支援のため、住宅ローン控除の期間を10年から13年に延長し、一定の収入以下の場合には面積要件を50平米から40平米に下げました。この改正に伴い、単身者に適した広さのマイホームが購入しやすくなったと考えられます。
マイホーム購入を促進することは景気対策の側面もあり、特別な法律を根拠として住宅ローン控除が設けられていました。
税制改正自体は毎年行われており、各省庁からの要望が取りまとめられ、与党内で検討されます。例年12月には、ある程度予算要望がまとまった段階で審議され、与党税制改正大綱を踏まえ、税制改正大綱として閣議決定されます。
閣議決定後は財務省と総務省により税制改正法案が提出されます。改正法案は衆参両院で審議可決されると、翌年度(毎年4月1日~3月末)以降に税法が改正、施行されます。
したがって、毎年この時期は税制改正大綱が注目され、税に関心を持つマスコミ、経営者、士業などの関係者により情報が拡散されます。抜本的な税制改正以外は、既存の期限付き税制が延長されるかに関心が集まります。住宅ローン控除は住宅購入に関する重要税制のため、消費者も興味をもって情報収集します。
今回、住宅購入希望者からは「改悪」とも言われる急展開を見込んでいますが、それには原因があるのです。
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