かく言う筆者は、20歳まで読解力がなく苦労した経験を持っています。その後、あるきっかけがあって読解力が半年間で飛躍的に上昇したのです。その後は、学習塾を立ち上げ、その方法を子どもたちに指導したところ、子どもたちの国語はぐんぐんと伸びていくという現象が起こりました。
このような経緯があることから、筆者は、読解力がある子とない子の間に見え方の違いがあることを悟りました。
読解力がない子が見ている文章の“景色”
読解力がない子の文章の見え方には大きく2つの特徴があります。
1つは、文章がただの数珠つなぎで、まるでミミズが這ったような羅列にしか見えていないということです。そのため、文章量に圧倒され、読む以前に、読む意欲が減退してしまいます。
2つ目は、文を「かたまり」で読むことができず、図の赤の線で切っているように「単語+単語+単語」のように見えている可能性が極めて高いということです。
例えば、「私が学校へいく途中に、公園のところで友達の優子さんに会った」という文章があったとします。これが、「私が」「学校へ」「行く」「途中に」「公園の」「ところで」「友達の」「優子さんに」「会った」とぶつ切りで見えているということです。これでは何を言っているかさっぱりわかりません。
これは極端な例かもしれませんが、英語が苦手な人であれば、このような状態を理解できるかもしれません。英文を読んでいて、英単語ばかりが気になり、単語の羅列にしか見えず、文全体として言いたいことに意識が向かないため、単語とつなげた表面的な訳出をしてしまいます。
以上のように、読解できない子は、文章自体の見え方が「理解できない見え方」になっているということです。音に出して読むことができても、実はわかるような形では”読めていない”ということが起こっているのです。大井さんのお子さんは、上記のように文章が見えている可能性が高いと感じます。
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