では、読解力がある子が見ている文章の“景色”とはどのようなものでしょうか。
わかりやすく番号と線と色を入れていますが、読解力がある子は、このような細工がない状態で、図のように見えているのです。驚かれるかもしれませんが、読解力がある子どもたちと話をすると、このような構造が無意識に見えていることがわかります。
筆者自身の体験でも、単なるミミズが這っている活字の羅列の文章が、以上のような見え方に変わったことから、読解力が飛躍的に伸びたことを思い出します。
もともと読書が好きで、子どもの頃から文章に抵抗がなかった人は、読解力がない子がどのように文章が見えているのかわかりません。読めていない経験をしていない人が指導することは容易ではありません。ですから、子どもに「そんなの、読めばわかるでしょ」という言葉を使ってしまう人もいます。読んでもわからないから子どもは困っているのです。
そこで、読解力をつけるアプローチは複数ありますが、簡単に実践できる方法を紹介します。小学生にとってシンプルでわかりやすい方法です。
3つのポイント
文章が長いとそれだけで読む気がなくなります。そこで、段落に分けていきますが、番号を入れ、さらに線で区切り、1つの段落以外を紙で隠してしまいます。すると、大量の文章が数行の文だけに見え方が変わります。
このように物理的に見える量を減らしてしまいます。これだけで読解力が上がる子どももいます。
活字はすべて一様に並んでいるだけです。つまり、そこには色分けされることもなく、強調されることもなく、早く読む、遅く読むという表示もありません。
音楽の楽譜のように、強弱やテンポ、息継ぎの部分が表示されていれば、どのように歌えばよいかわかりますが、国語の文章にはそれがありません。
読解がもともとできる子は、表示がなくても自分でできますが、そうではない子はできません。ですから、それを教えてあげる必要があります。そのためには、大人が自分で読む時にどのように読んでいるのかを声に出して「読み聞かせ」をしてあげます。
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