建設会社グループが「野球リーグ運営」に挑む事情 「日本海オセアンリーグ」が独立リーグに新風

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2021年は野球の独立リーグに活発な動きがありました(写真:筆者撮影)

今年は日本の独立リーグ史にとってエポックメイキングな年となった。今年スタートした九州アジアプロ野球リーグが、既存の独立リーグと互角以上の戦いを見せ、ドラフト上位で指名される選手が出た。さらに9月には、九州アジアプロ野球リーグに堀江貴文氏がオーナーの福岡北九州フェニックスが参入を発表。そして同月、12球団からなるルートインBCリーグから4球団が独立し、日本海オセアンリーグが誕生した。

新リーグ設立を主導したのは、横浜市に本社がある建設、不動産、デベロップメントなどを本業とする企業グループ、オセアングループ(以下オセアン)。オセアンは、2019年に滋賀ユナイテッドベースボールクラブのスポンサーとなり、2021年から経営を継承、チームを強化するとともに、石川、富山、福井の球団に働きかけて新リーグを創設することとした。

記者会見の様子。右から2人目はサポーターのお笑いコンビ「マテンロウ」のアントニー(写真:筆者撮影)(写真:筆者撮影)

ルートインBCリーグは東は福島県、北は新潟県から、西は滋賀県まで本州の広いエリアに球団が点在している。コロナ前は2地区に分かれてペナントレースが行われていたが、地区をまたいだ交流戦もあり、周辺部のチームにとっては移動、宿泊コストが大きな負担になっていた。

また、新潟、栃木、群馬など観客動員も多く、強いチームがいる一方で、近年は観客動員に苦しむチームや、極端に低い勝率になるチームもあり、格差が拡大していた。各球団はおかれた環境も異なり、経済事情もさまざまだ。12球団が全部同じ条件でペナントレースを行うのがだんだん難しくなっていたのだ。

試合数を圧縮して土日に集中開催

今回新リーグを設立した4球団は、コロナ禍の2020年以降、大規模な移動を伴う遠征をやめることとなり、4球団だけでリーグ戦を行っていた。今回の独立は、形式上は、ここ2年間やってきたリーグ戦をそのまま追認したような形になっている。しかしながら、日本海オセアンリーグは、同時に、これまでの独立リーグにはない意欲的な取り組みも行う。

日本海オセアンリーグの4球団

  • 富山GRNサンダーバーズ
  • 石川ミリオンスターズ
  • オセアン滋賀ブラックス
  • 福井ネクサスエレファンツ

まず、4チームのシーズン試合数は72試合から50試合程度に圧縮する。これだけを見ると規模を縮小しているようだが、これまでのように観客動員が見込めない平日の試合をやめて、土日に集中して試合を行う。また試合は1球場に4球団が集結して、それぞれが1日で2試合ずつ行う。

これまで大きな負担になっていた遠征費を圧縮するとともに、密度の高い試合を行うことで観客動員も増やしていくという考えだ。

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