建設会社グループが「野球リーグ運営」に挑む事情 「日本海オセアンリーグ」が独立リーグに新風

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会場で、オセアングループ代表で、日本海オセアンリーグの代表でもある黒田翔一氏に話を聞いた。

黒田翔一代表(写真:筆者撮影)

「オセアングループは、横浜市にある大洋建設を母体とする企業グループです。建築、不動産売買開発、アセット、介護などいくつかの事業部門がありますが、その1つにスポーツマネジメント事業があります。この事業の柱が野球と、ウインタースポーツのアスリートのサポートです。中でも野球の占める割合が大きいのですが、もともとは地域貢献のつもりで中学硬式野球のヤングリーグのチームを横浜に立ち上げたのが始まりでした。想像以上に少年野球チームが強くなって、昨年は全国大会で優勝するようになりました。

こうして野球界にご縁ができてルートインBCリーグのユナイテッド滋賀のスポンサードをするようになったんです。翌年にはネーミングライツで球団名がオセアン滋賀ブラックスになりました。ところがこの球団が経営難になりました。オセアンという名前がついている手前、放っておくわけにいかず、私たちが直接経営に乗り出すことにしました」

野球を知らない人にも訴える仕掛け

「オセアングループ母体の大洋建設社長である父に『1年間やらせてくれ、しっかり立て直すから』と言って経営に参画し、今季は地区優勝するなど球団の立て直しに成功しました。こうして球団運営をする中で、リーグ運営にも疑問を抱くようになりました。今の独立リーグはもっといろいろと改革できるのではないか、と考えてルートインBCリーグの村山哲二代表と話し合って4球団で独立することになったんです。

リーグ運営となると球団運営とは違った課題がいくつかあります。まず富山、福井、石川は雪が降る地方です。これは不利な要素ですが、石川と富山はBCリーグ創設時から唯一、継続的に経営を続けている球団です。両球団の社長は独立リーグ運営のさまざまなノウハウを持っておられます。NPBにも人材をたくさん輩出している。この2球団の経験をリーグとしても共有させてもらおうと考えました。

それから今日のトライアウトを見ていただければわかりますが、選手には全員、この日のためにデザインしたユニホームを支給しました。デザインや格好良さが今の時代は大切です。ここにこだわろうと思いました。

もう1点が『配信』です。これまで各チームで個々に試合などの配信をやっていたのですが、これをリーグで一括してやろうと。そしてその動画配信で、各地の名産品の紹介をして購入できるようにしたい。その売り上げをふるさと納税で、企業に戻したいと思っています。石川、富山、福井、滋賀には海産物、農産物などおいしいものがたくさんあります。

例えば球場に来たお客さんにも『来場ポイント』を付与して、これで特産品が買えるようにしてもいい。アプリを使いながら、いろんなものがゲットできるとなれば、野球を知らない人もゲーム感覚で参加するんじゃないかと期待しています」

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