建設会社グループが「野球リーグ運営」に挑む事情 「日本海オセアンリーグ」が独立リーグに新風

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オセアングループは、オリックス、DeNA、中日などNPB球団のスポンサーにもなっている。NPB球団とのかかわりはどうなるのか?

「うちは建設会社が母体です。横浜スタジアムの施工や増設工事も手がけました。オリックス・バファローズは親会社のオリックスさんと不動産リースなど多くの分野で、お世話になっていい関係が築けています。それに千葉ロッテマリーンズの本拠地球場のZOZOマリンズスタジアムの除菌事業もわれわれが担当しています。さらに人事交流や情報共有もあります。

こういう関係を背景にしてNPB球団をスポンサードしているのですが、新リーグとNPB球団との交流戦なども当然、計画しています。またNPBとのネットワークを生かして才能ある選手の獲得もしていきます。

福井球団の会長、GMに西村徳文オリックス前監督に就任していただいたのも、そういうアドバイスを期待してのことです。リーグの運営は、選手、スタッフとして球団運営にかかわってきた『野球のプロ』に任せます。野球好きが集まって、これまでにないリーグにしていきたいですね」

新しい企業が独立リーグ経営に新風を吹き込む

独立リーグがスタートした当初は「こんな状況でいつまで続くのか」と思ったものだが、十数年が経過して、各球団は地方に居場所を見つけ、コロナ禍で苦労しながらも生き残っている。想定以上の結果ではあるが、同時に「独立リーグとはこんなものだ」という固定観念ができているのも否めないところだ。独立リーグは「夢を追う」場所というより「現実を思い知る」ところになっている感もある。

オセアンなど、新しい企業、経営者の参入は、独立リーグの経営に新風を吹き込むことになるだろう。

それにしても黒田翔一氏にしても、堀江貴文氏にしても、今の働き盛りの経営者は本当に「野球好き」だと思う。彼らはプロ野球が「ナショナルパスタイム」だった時期に子ども時代を過ごしたのだ。今の20代の経営者の卵たちは、プロ野球とは縁が薄い少年時代を過ごしている。黒田氏や堀江氏のような経営者がビジネス界をリードしているうちに、野球界のイノベーションが進んでほしいと思う。

広尾 晃 ライター

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ひろお こう / Kou Hiroo

1959年大阪市生まれ。立命館大学卒業。コピーライターやプランナー、ライターとして活動。日米の野球記録を取り上げるブログ「野球の記録で話したい」を執筆している。著書に『野球崩壊 深刻化する「野球離れ」を食い止めろ!』『巨人軍の巨人 馬場正平』(ともにイースト・プレス)、『もし、あの野球選手がこうなっていたら~データで読み解くプロ野球「たられば」ワールド~』(オークラ出版)など。

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