ソフトバンクを分析する

Tモバイル「買収白紙」の影響はあるのか?

そして、最終利益である純利益は前の期より58.7%減の1113億円となりました。営業利益、純利益ともに一過性の損失によって減益になったということです。

スプリントの収益力改善と、米国金利上昇に注目

貸借対照表から財務内容を見ると、先ほど見た前期末からはそれほど変わっていません。自己資本比率は17.3%。現預金は、買収に備えていたことから1兆9024億円持っています。これは月商の2.9カ月分にあたりますから、かなり潤沢にあると言えます。Tモバイルの買収が白紙になった今、これをどのように使っていくかに注目です。

2015年3月期の業績見通しは、売上高は前の期より20%増の8兆円、営業利益はほぼ横ばいの1兆円になるとの予想で、変更はありませんでした。

今後の注目点は2つあります。一つは、スプリントの収益力をどのようにして改善していくかという点です。孫社長は今のところ、買収白紙についてコメントを避けていますが、スプリントは新しい施策として、通信料金を大幅値下げするなどの低価格路線で巻き返そうとしています。しかし、これは「消耗戦」となる可能性もあります。

もう一つは、米国の金利上昇です。ソフトバンクが抱える有利子負債は約9兆円、年間の支払利息は約3000億円にも上ります。

米国が行っている量的金融緩和第3弾(QE3)は今年10月にも終了し、来年中には政策金利が上がりはじめるとの憶測が広がっています。同社は米ドルでも資金調達しているでしょうから、もし、米国の金利が上昇すれば、支払利息が膨らみ、業績を下押しする可能性も小さくありません。

そういう点では、今期は見通し通りの業績を維持できるかもしれませんが、来期以降は現状より厳しい状況に置かれる可能性があります。いずれにしても、孫社長の次の一手に注目です。

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