ウーバーのやり口「冷静に見るとヤバすぎる」わけ 弱者を食い物に「大卒の白人」だけ儲ける仕組み
「コストを変動費化するビジネス」は危機にも最強
本当に抜け目ないビジネスとは、自己資本を少なくしてコスト構造を変動費化することだ。
ウーバーはこの新しいモデルのお手本である。同社は他人の資産を活用しているからこそ、パンデミック初期には中核事業が崩壊しかかったにもかかわらず株価を維持できた。
ウーバーが貸しているのは、従業員でない人間が運転する、他人の車の空間(どう言おうが、法的にはそうなる)である。利益をもたらさなくなった車はすぐに姿を消してしまうので、会社の維持コストはほとんどかからない。
経済危機に直面すれば収入がゼロになることもあるが、ウーバーはその場合でもコストを60~80%削減できる。一方、レンタカー会社として車を所有しているハーツは倒産した。ボーイングには100億ドルのキャッシュがあるが、収益が80%落ち込んだとしてもコストの削減は10~20%にとどまるだろう。
ウーバーのビジネスモデルは、アメリカで領主が農奴に(逆ではない)しかけた最新の戦いである。
ウーバーは、ほとんどが非白人でほとんどが非大卒のドライバーと、ほとんどが白人でほとんどが大卒の本社勤めの正社員によって成り立っている。本社社員は投資家とともに、BMWとフォードを合わせた額にのぼる時価総額を山分けすることになる。
BMWとフォードは33万4000人を雇用している。ウーバーと違い、そのほとんどが健康保険に加入しているのは間違いない。フォードの時給は平均26ドル。ウーバーでは9ドルだ。
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