「KPI設定なし」がビジネスに好循環を生む理由 「やりたいこと」を実現する余った時間の使い方

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自分のチームのメンバー同士でお互いの信頼関係を構築すること、すなわち信頼インフラを構築するには、この自己開示が必須となります。そこで、自己紹介プレゼンや趣味プレゼン、未来のなりたい自分プレゼンなどを行ってもらうのです。プレゼンするためには自分と向き合うことが必須ですから自ずとプレゼンはその人自身が投影されます。相手の価値観や考え方、軸を知ることでそれぞれの強みを知り、生産性の高いチームプレーへとつながっていきます。それには上司や同僚、メンバーの理解と協力が必要なのです。

ビジネスと同様に就職活動中の大学生、受験を控えた高校生にも、同じことを伝えています。面接官に「自分だけの志望理由」を伝えられるようになるまで、掘り下げていかないといけないよ、と。

掘り下げるには、一番伝えたいことが何か、なぜそれを伝えたいのか、その「なぜ」を考えて、言葉にしていけば自分だけの志望理由が答えられるようになると伝えています。なぜなら、人はそれぞれ異なる人生を歩み、異なる経験をしていますから、1つとして同じ言葉に帰結しないからです。

強制的「タイム・リッチ」から能動的「タイム・リッチ」へ

コロナ禍でリモートワークをするようになって、通勤時間や無駄な会議から解放されて、時間的に余裕ができた会社員は多いと思います。これは、強制的な「タイム・リッチ」な状態で、手持ち無沙汰になって、ストレスを感じている方もいるのではないでしょうか。

『TIME SMART』の中では、「手持無沙汰嫌悪」という人間の本性を紹介していますが、これは「何もしないでいることを嫌う」ため、余計な資料をつくってしまう、ついスマホをいじってしまう、ウェブサーフィンしてしまうというものです。相当にテクノストレスを感じていると思います。

本の中では5分、10分、30分という単位で「もし時間があったらリスト」をつくることを勧めていますが、「やりたいこと」を見つけるのには最適だと思います。手持ち無沙汰になった時間を能動的な余暇として、散歩や、普段連絡を取らない方にメッセージや手紙を送ることに充てるのもいいかもしれません。いつも仕事を意識してぱっぱっと済ましていたランチもゆっくり食べるというのは、私もいいと思っています。

手持ち無沙汰なときに、「やりたいこと」を行うようになれば、強制的な「タイム・リッチ」から充実感が味わえる能動的な「タイム・リッチ」へシフトできるのではないでしょうか。

前田 鎌利 書家/プレゼンテーションクリエイター

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まえだ かまり / Kamari Maeda

一般社団法人プレゼンテーション協会代表理事。株式会社固(かたまり)代表取締役。東京学芸大学教育学部書道科卒業後、17年にわたり通信事業に従事。2010年に第1期ソフトバンクアカデミアで1位を獲得。同社認定プレゼン講師を経て2013年に独立。一般社団法人継未-TUGUMI-を設立し、全国各地で書道をはじめとする日本文化の教室を展開。書家としてJリーグ「絶対突破」、JAXA「こうのとり」他多くの書を揮毫。また、ビジネススキルの講師として年間多数の企業研修・講演を行う。著者に『プレゼン資料のデザイン図鑑』『課長2.0』等がある。

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