いきものがかり「ハイエース1台で旅」したあの頃 水野良樹が「結成20周年の節目」に想うこと

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「桜のような歌を書きたい」。いきものがかりのリーダー水野良樹さんが秘める想い(写真:Determined/PIXTA)
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生きていれば、どうしようもない壁にぶちあたることがある。
人気音楽ユニット「いきものがかり」にとって、2020年はそういう年だった。結成20周年という節目の年。本来ならば、全国をツアーで巡るはずだった。だが、たった一度のライブさえ、できなかった。その渦中で、リーダーの水野良樹さんは何を考えたのか。コロナ禍でも毎月、誰かに手紙を書くようにつづったエッセイ、『犬は歌わないけれど』の一部を、抜粋・再編集してお届けします。

5年ぶりとなる全国公演が延期に

いつかまた、会いにいく

まだ旅はできない。

新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて、2020年春から予定されていた全国ツアーの全27公演が延期となった。本来なら6月末まで続くはずだったこのツアーは、いきものがかりにとっては実に5年ぶりとなる全国公演で、地域によってはライブで訪れるのが10年ぶりといった街もあった。

「放牧」と題して活動休止をしている期間もあったので久々にお客様に直接歌を届けられると意気込んでいたが、感染防止のためにはやむをえない判断となった。

残念だ。数カ月前から準備にはすでに長い時間をかけているし、公演が延期となることで予定されていた仕事がなくなってしまうライブ関係者(イベンター、舞台制作、音響、照明、楽器スタッフ、ミュージシャン、そのほかもろもろ)への影響を考えると、チームとしては苦渋のジャッジだった。

しかし、この状況ではなすすべもない。百戦錬磨、今まで数々のトラブルを乗り越えてきた猛者であるベテラン制作スタッフたちでさえ困惑していた。本当に誰も経験していないことが起きてしまったのだなという実感を持っている。

とはいえ下を向いてばかりもいられない。

いつか状況が改善すればまた旅をして、ライブを待ってくださっている方々の街へ行くことになるだろう。その日が可能な限り早く来てほしい。そんな願いを胸に保ちながら、今はできることをやっていくしかない。

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