「上司に仕事振る」「人権意識高い」Z世代の働き方 すぐ上のミレニアル世代は戸惑っている?
また多くは、一歩間違えるとスタッフの反発や非難を招くこともわかっている。「若い元従業員には会社が何もしないなら辞めるまでだ、という人もいた」とロドリゲスは話す。
「私に言わせれば、それは近視眼的だ。ソーシャルメディア上で満足感を得て社会的に影響を与えたとしても、それと引き換えにキャリア面で継続的に助けてくれる人を切り捨てる価値はあるだろうか」
言葉使いにも気をつけるように
ダンはボノボを去り、ソーシャルメディア企業を設立した。Z世代を雇って自著の原稿を読んでもらい、配慮に欠ける、あるいはアレルギーを起こしかねない言葉を指摘するよう依頼した。
その日のうちに、Z世代の彼女は文書に1100件ものコメントをつけた。また、ダンは自分が職場で使っている性差を表す言語についても注意するようになった。「guys(君たち)」ではなく「皆さん」、あるいは最低でも「みんな」を使う。
「私はイリノイ出身だが、『みんな、行こう』と言うようになった」とダンは言った。「Juneteenth(=ジューンティーンス、アメリカの奴隷解放記念日)の頃に『うちの会社は休み?』と聞かれて目が覚める思いがした。『もちろん、休みだよ』と答えたが、実は今まで考えもしなかったことだった」。
そのときダンは、最年少の従業員にどれだけ助けられているか気づかされたという。ダン自身はミレニアル世代ど真ん中だが、Z世代の感覚を知り尽くしているわけではない。
ダンは、会社を経営し続けるためにはこうした感覚は欠かせないと悟った。働き始めたばかりの社員にしかられるとしても、彼らは同世代のことをよくわかっている。「そのカルチャーに近づきたいものだ」とダンは語った。
(執筆:Emma Goldbergk記者)
(C)2021 The New York Times Company
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