「上司に仕事振る」「人権意識高い」Z世代の働き方 すぐ上のミレニアル世代は戸惑っている?

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セクシャルウェルネスを手がけるアンバウンドの34歳のポリー・ロドリゲスCEOは「私が初めて就職したとき、上司に仕事を割り振るなんてありえませんでした。Z世代は躊躇なくそれをやります」。

とはいえ、管理職の多くは、若者とそれよりやや年上の若者の間の相違を無視する選択肢はないと感じている。それが雇用のあり方を決めるし、それがマーケティングのあり方を決めるのだ。そして過去1年間は、国が混乱に陥っているときに企業がどう対応するかを決めることになった。

人権問題はZ世代にとって「緊急問題」

2020年6月、BLMの抗議行動がアメリカ中を席巻した。アメリカのIT大手スラックの各チャンネルはそれぞれの試練に直面した。ロドリゲスの場合、それは土曜日の朝にかかってきた電話から始まった。

電話をしてきたのはアンバウンドの共同創業者だった。ソーシャルメディアのマネジャーである若い従業員が、社としてBLMをどう支援するつもりか知りたがっているという。

ロドリゲスが週末に電話を受けることは滅多にない。つまり、この件は従業員にとって緊急事態なのだ。しかし、チームの対応を考える時間もほしいと思った。数日のうちに社はダイバーシティ・公正・インクルージョンのコンサルティング企業を雇って従業員向けのトレーニングを開始し、有色の性産業従事者の支援グループのために資金集めプロジェクトを立ち上げた。

多くの企業のリーダーたちにとって、これは歓迎すべき見直しのきっかけになった。企業は職場内外の人種的不平等について長い間沈黙してきたからだ。だが、社員からの政治的関与の要求と自らが思うところのブランドらしさのバランスをとるのに苦労しているマネジャーたちもいる。

「年上の人たちに話すとこう言いますよ。『おいおい、うちの売り物はトマトソースだ。政治じゃない』」。Bコーポレーションに認定されているプラント・ピープルのケネディは言った。「でも若い人たちはこう言う。『これは政治的トマトなんだ。政治的トマトソースなんだ』と」。

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