「上司に仕事振る」「人権意識高い」Z世代の働き方 すぐ上のミレニアル世代は戸惑っている?
2008年の金融危機の渦中以降に職場に入り、とにかく仕事にありつけたことを幸運に感じている世代にとって「頑張る」ことの価値が高いのは当然だ、とミレニアル世代は指摘する。
一方、Z世代は、働くことができる時間・場所・手段を狂わせたパンデミックの真っただ中という新たな危機のときにキャリアをスタートさせている。リクルートソフトウェア会社リップルマッチが実施した2021年秋のZ世代の求職者の調査によると、3分の2超が無期限でリモートワークができる職を希望している。
「ミレニアルvs. Z世代」が勃発
現在、主にミレニアル世代層が運営している、あるいはミレニアル世代層を対象にしている企業で世代間の摩擦が顕著になっている。
ハーブサプリメントブランド、プラント・ピープルの創設者である30歳のゲーブ・ケネディは、Z世代の従業員の中に、ミレニアル世代が大半を占める10人のチームが当然のように従っていた仕事の習慣に興味を持たない人がいることに気づいた。
同氏と共同創業者は、顧客の声に追いまくられ、中華の出前を分け合いながら夜遅くまでオフィスで過ごすのが当たり前になっていた。一番若い従業員は自分の好きな時間に働くほうがいいと言う。
ケネディがフルタイム職に応募してきたZ世代の面接をすると、その日の決まった仕事が済んだら退勤してもよいかと尋ねられた。彼女が応募した職では9時から5時の勤務が求められるとケネディは答えた。
「前の世代はタイムカードを打つのが普通だった」とケネディは振り返った。「『はしごを上って年金と金の腕時計を手に入れる』ことが。ミレニアル世代は『まだオフィスはあるけど、卓球をしたりニトロコーヒーを飲んだりしていてもいい』。その次の世代は『うわあ、いつでも自由にソーシャルメディアに投稿するだけで食べていけるよ』」。
31歳のローラ・プリーゴは臨床試験のスタートアップ、ベースのCEOだ。Z世代の従業員がスラックのメッセージで彼女に業務を指示してきたときは思わず笑ってしまった。プリーゴは、15人のスタッフにとって自分は威圧的な存在ではないという、「いい証し」としてとらえたが、別の上層部メンバーは震え上がった。