自分より「三高」の結婚相手を目指した彼女の結末 「万馬券」のようなお相手の見つけ方

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当たり前のように話す真美さん。お酒を楽しめない男性などは論外だったのかもしれない。伸一さんとの出会いは2年間も努力をした甲斐があったと言える。

しかし、新婚当初は細かなことでケンカが勃発することがあった。それぞれ自由な独身生活を送って来たので、共同生活自体がストレスになっていたのだろう。言葉の使い方の違いもあった。

「伸一さんは関西が長いので、ちょくちょく関西弁が出るんです。それが私にはキツく感じます。『知らんけど』とか、二度と言わないでほしいです。突き放された気持ちになります」

一方の伸一さんも真美さんの「やれやれ」などの言葉が気になっていたが、いつしか聞き流せるようになった。そして、疲れていてもこれは言ってはいけないという距離感がわかってきたという。親しき中にも礼儀あり、なのだ。

帰って来て自宅に人がいるのが嬉しい

30代の頃は束縛されない自由な暮らしを満喫していた伸一さん。結婚をするにあたって共同生活を重視することにし、残業が少ない同業他社に転職した。43歳のときだ。そのおかげで今では毎晩のように真美さんと一緒にお酒を楽しめている。

「帰って来て自宅に人がいるのが嬉しいですね。慣れてしまうと、一人暮らしに戻るのはもう無理だと感じます。多趣味な妻にキャンプやスノボに誘ってもらえるのもいい。結婚していなかったらキャンプなんてできなかったでしょう」

真美さんのほうは会社まで徒歩数分ながらもコロナ禍以降は在宅勤務となり、伸一さんに「いってらっしゃい」も「おかえり」も言える毎日だ。週末は犬も連れてキャンプにも行けて、理想通りの結婚を得られたと実感している。

独身時代も大いに楽しんでいた真美さんと伸一さん。結婚後の今は、お互いの得意分野を持ち寄って生活を充実させている。

結婚相手への気遣いは必要だが、それは不自由を意味しない。むしろ、新しい自由を手にしたと言える。その相手としか実現できない気楽な家庭をゼロから築き上げることが結婚の喜びと価値なのかもしれない。

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