あなたが今から結婚相手を探すとしたら、「選ぶ」と「選ばれる」のどちらを取るだろうか。関西地方の大学で研究者として働いている井川千恵さん(仮名、40歳)は、「選ばれる」ほうにシフトチェンジして見事ゴールインした1人だ。
Zoom画面の向こう側にいる千恵さんは昭和時代の女優のような穏やかな外見。話し方も丁寧でこちらの話もよく聞いてくれる。いわゆる女子力が高めに感じるが、本人によれば中身は「肉食系」らしい。
「20代後半まで博士課程の学生をしていて、論文の執筆などに夢中で結婚や子育てなどは考えていませんでした。私は気が強くて自分の好きなことを貫きたい人間なんです。恋愛も同じでガンガンに行きます。相手も同じぐらい肉食系じゃないとくっつきにくいです」
結婚を考えられる相手と付き合い始めたが
人は見かけによらないものだ。そんな千恵さんが激務で体調を崩し、「自分の家族が欲しい」と思ったのは30代半ばになってからのこと。友だちに紹介されて、自分からも「ガンガン」に攻めて付き合い始めた2歳下の男性と結婚を考える仲になった。
「でも、あるときに『価値観が違う』と唐突かつ一方的に婚約を破棄されてしまいました。彼が浮気相手との間に子どもができたことを知ったのは振られてから1年後です。彼はその相手と結婚しました。浮気や妊娠を早めにちゃんと話してほしかったですね。そうしたらすぐに諦められたのに……。女性として貴重な1年間を無駄にしてしまいました」
今から冷静に考えると、その男性とは確かに価値観が異なっていた。例えば彼は外国人観光客に対する差別的な発言が多く、千恵さんは納得できずに反論していた。「従順な妻」を求める彼とは合わなかったと千恵さんは分析して反省する。
「私が選ぶとチャラい雰囲気の人と出会いがちです。肉食系だけど誠実な人と結婚するには相手に選んでもらうべきだと思いました」
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