夜の世界でモテた理由
「こんにちは~!」と元気に待ち合わせのカフェにやってきたのは大阪在住のゆかりさん(39歳看護師、仮名)。肩の上でカットされた髪はふんわりパーマがかかり、グレーのセーターに膝丈の黒いスカートを履きこなす。席に着くなり「道に迷ってしまってな……」と屈託のない笑顔で話しだした。筆者とは初対面だが、それを感じさせないような親しみやすさを感じた。
看護師になる前は、夜の世界で働いていた。スナックやキャバクラなど、10数年以上、接客業につき、時には、体の関係なしで既婚者と恋人関係にあった時期もある。
家賃など生活費の手当てをもらいながら、その男性の仕事の接待に同席することもあった。ゆかりさん曰く、当時から見た目の派手さがなく、普通っぽさが逆に受け入れられたのではないかと自己分析する。
しかし、30歳を過ぎたころには恋人とも疎遠になり、ゆかりさん自身も人生を考え直して、看護師になることを決意。新たに勉強を始め、無事に国家資格を取得したそうだ。
病院で勤務をしながら、気づけば30代後半になり、友人に誘われて軽い気持ちで婚活パーティーに参加したことが“事件”の始まりだった。
婚活パーティーは立食スタイル。30代の男女が50人程度参加しており、各々が目星をつけた人に話しかけたり、4、5人の男女で談笑しているテーブルもあった。
高揚した雰囲気を前に、様子を伺っていると、「こういうパーティーって緊張しちゃいますね(笑)」と早速、男性が声をかけてきた。紺色のスーツを着ているその男は常田(36歳、仮名)と名乗った。中肉中背の165㎝程度、決して男前ではないけれど、人のよさそうな雰囲気にホッとする。2人の会話が弾むのに時間はかからなかった。
初デートは彼が花束を持参。「きしょいな」と思いながらもうれしさが勝ったという。
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