「とにかくマメで、毎日のLINEはもちろん、週に4、5回程会っていましたね。約束がない日でも“急に会いたくなったから”と会いに来ることもあり、彼の熱量がすごかった。ちょっと女王様気分だったかもしれません。今までの彼氏は自分のことばかり話す人が多かったけれど、彼は聞き上手のおだて上手。親にも友だちにも言えなかった本音が彼にはすんなり話せたんですよね」
普段気を遣いがちなゆかりさんが、心の奥底のことを唯一話せる存在でもあったようだ。
交際が3カ月に及んだ頃、友人から「婚活パーティーで知り合ったのに具体的な結婚話は出ないの?」と言われ、彼に話をしてみると、彼から出てきた言葉はまさかの“借金”。
「父親がアル中で亡くなって、母親はすでに他界して両親の借金が残っている。でも、来年の12月には借金のメドがたつので、その頃結婚したい。今は妹と同居しているので家に(ゆかりさんを)呼べないけれど、タイミングをみて会わせたい」と言ってきたという。口約束ではあるが、2020年の12月に結婚予定となった。
見知らぬ相手からの電話に
しかし事件は突然起きる。交際が1年経過したころ、自室でくつろいでいるゆかりさんに、彼から「顔写真を送ってほしい」とLINEが届いた。今まで1度もそんなことを言わなかったのに、おかしい。酒でも飲んでいるのか?と思っていたら、今度は着信が鳴る。応答すると「常田の妻の真紀です」。
妻?? 友人と居酒屋で飲んでふざけているのか? しかし、女性の金切り声を聞いていると、どうやら冗談ではないようだ。
「付き合って2カ月で一番楽しいときやろうけど」「寿司屋の領収書がよく出てくるけどあんた?」さらに「うちはとっくにレスですが、あなたにお世話になっているようですね」など、反論する隙もなくまくし立てられた。
しまいには「夫はあなたとは仕事関係で知り合って、一方的に熱を入れられて困っていると言ってますが」と、想像もつかない言葉の数々を投げつけられ、理解が追いつかない。
しかしここで反論してもまともに話ができるとは思えず、まずは3人で会う約束を取りつける。その日から、彼の携帯は妻に没収され、連絡はつかなくなった。
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