「イライラしやすい人」がとりつかれている考え 私たちは意外とくだらないことでイライラする
私は、ここ十数年、家計簿というものをつけたことがありません。なぜなら、イライラするからです。「毎月の収支を反省し、次につなげるために、家計簿はつけたほうがいい」という話をよく聞きますが、何十年も生きていれば、お金の使い方は感覚的に身についているもの。浪費しすぎたときは、しばらく出費は控えようとするし、貯金はあらかじめ引き落としの積立預金にして、残りで生活すればいい。
衝動買いをせず、毎回、「自分にとって価値があるもの」を選択して買い、お金も自分も喜ぶような使い方をしていれば、それでOK!と思っています。ま、単に面倒くさがりということもありますが。やることを増やしたり、余計な情報を入れるとイライラのもと。
また、わんさか送られてくるメルマガや広告メールも、まじめに読むと、「もうこんな時間。アレをやっていないよ~」ということになるので、本当に欲しい情報だけを残して、あとは読むこともなく削除、または解除。仕事に集中したいときは、その時間だけすべてのことはキャンセル。電話もメールもオフ。
身の回りに次々とあふれてくる情報に、自分を合わせることはないのです。ときには自分の外側の情報に耳をふさいで、自分の内側の声を聞く。必要なものを選択する……そんな主体的な姿勢が、“自分の生き方”をつくっていくのではないでしょうか。
シミュレーションと危機管理を怠らない
たとえば、商談のために、あるホテルの喫茶店に向かったとします。どこかで道をまちがえたのか、それらしいホテルが現れない。完全に遅刻だから、商談相手に連絡をしようとすると、「あーッ、電話番号がわからない」。そして、なんとかたどり着いたホテルで、ムッとした表情の相手に平謝りになって気づくのです。「あ、名刺入れを忘れた……」。
これらは、いうまでもなく、準備不足と時間の余裕のなさが原因です。イライラしないための準備は、うまくいく状態と、そこに行き着くまでの段階をシミュレートして必要なものをそろえることですが、それだけでは、落とし穴が待っています。