「イライラしやすい人」がとりつかれている考え 私たちは意外とくだらないことでイライラする

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「こんな問題が起きたら、どうする?」と、できるかぎりの危機を想定して、予防しておくことが大事。このツメが甘いと、「まさか……」という事態が起こり、慌てることになります。

「これだけは、ぜったいにうまくいかせたい」という願望であれば、「こうなるためには……」と先を読んで、とことん対策を考えてみること。そうすれば簡単にダメになることはありませんから。

それでも、「まさか、こんなことになるとは……」という“まさかの坂”がやってくることがあります。そのときは、しょうがない。「なにが起きるかわからないのが人生!」と気持ちを切り替えて対処し、またその坂を上っていきましょう。

精神的な無視を貫く

(まんが:Jam)

会社のなかにピリピリ、イライラといった重苦しい空気が漂っていることがあります。イライラしている人がいると、影響を受けやすいもの。特に少人数のオフィスだったり、イライラに立場的な圧力が加わったりしていると、こたえるものです。

これは社内だけでなく、家庭のなかでもある光景かもしれません。空気を明るく変えたいところですが、よっぽど大笑いするような強い刺激でもないかぎり、難しいものです。そんなときは、自分だけでもとりこまれないようにするしかありません。

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そして、殺伐とした空気に潤いを与えるように、自分だけは人にやさしい言葉をかけたり、ねぎらったりしてあげましょう。そんな現場こそ、みんなが潤いを求めているもの。自分も穏やかな気持ちになって、人に汚染されないための防御策にもなります。

ただ、問題はイライラの矛先が自分に向けられてきたときです。そのときも、気にしなくていいのです。相手の感情はこちらの責任ではなく、相手自身に責任があります。八つ当たりされたり、「あなたは~だ」と非難されたりしたら、「あら。そうですか?」と聞き流して相手にしないのが、心を害されない最善策。

相手から批判されても、「この人は私とちがう考えなんだ」ということを認めるだけで、流されないこと。どうでもいいことで戦って自分の正義を証明する必要もないでしょう。自分の気持ちは、自分でわかっていれば、それでいいのです。

有川 真由美 作家

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ありかわ まゆみ / Mayumi Arikawa

鹿児島県姶良市出身、台湾国立高雄第一科技大学応用日本語学科修士課程修了。 化粧品会社事務、塾講師、衣料品店店長、着物着付け講師、ブライダルコーディネーター、フリー情報誌編集者など、多くの職業経験を生かして、働く女性へのアドバイスをまとめた書籍を刊行。韓国、中国、台湾でも翻訳される。

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Jam 漫画家・イラストレーター・ゲームグラフィックデザイナー

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じゃむ

人間関係の悩みを描いたマンガ「パフェねこシリーズ」がTwitterで累計50万以上リツイートされ話題となる。著書に『多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。』(サンクチュアリ出版)のほか、『にゃんしゃりで心のお片づけ。』(PHP研究所)、『マンガ版 ちょっとだけ・こっそり・素早く「言い返す」技術』(マンガ担当/三笠書房)、『言いにくいことはっきり言うにゃん』(笠間書院)、『まねきねこのうた』(秋田書店)、『続 多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。』(サンクチュアリ出版)などがある。

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