スバル「WRX」は何がスゴイのか 実用と走りを両立させたスポーツ・セダン
まず、販売の中核になるであろう「WRX S4」から紹介していこう。
アメリカ市場での好調を受けて、ボディサイズを拡大してきたスバルだけに、今回の「WRX S4」でもボディサイズが気になる。
4595×1795×1475㎜(全長×全幅×全高)と、先代の「インプレッサ WRX」と比べて全長が15㎜長いが、基本骨格を共有するワゴンの「レヴォーグ」と比較すると、全長が5mm短く、10㎜広い全幅を持つ。日本の車庫や道路の事情を鑑みて、1800㎜以下に抑えたのが嬉しいポイントだ。日本向けに考えられたサイズに収まるセダンとなると、がぜん、購入対象としての興味が湧いてくる。
もちろん、モータースポーツの世界で活躍した歴史を持つ「WRX」を名乗るからには走行性能に手抜きはない。さらに、アイサイトに代表される高い安全性、洗練された乗り味と内外装を加えている。
実際に試乗してみると、一般道での乗り味がしっかりと整えられており、動力性能の不満もない。搭載されるのは新開発の直噴ボクサー・ユニットで、13・2km/Lへと低燃費化を進めつつ、リニアトロニックとの組み合わせによってパワフルな加速をする。
リアシートもゆったり
スバルの次世代を担うこのエンジンの特徴は、最高出力300ps/5600rpmを発揮すると同時に、幅広い領域で400Nmもの大トルクを発揮し、従来の水平対向エンジンのイメージだった低速トルクの不足を払拭している点だ。
サイドサポートが張り出したスポーティな形状の運転席だが、たっぷりとしていてかけ心地がよく、ホールド感が高い。ワゴンをベースとするためか、セダンとしては少々高めに座るが、アクセルやブレーキのペダルの位置は自然に足を伸ばしたところにある。ステアリング・ホイールにはチルト&テレスコピックが備えられており、体格の差に応じて調整できる。上級グレードの「2.0GT-Sアイサイト」では、シート地がアルカンターラと本革のコンビネーションとなる。
セダンゆえに、後部座席へのアクセルや荷室の使い勝手も気になる。身長171cmの筆者が座っても充分な頭上空間が確保されており、荷室には9インチのゴルフバックを4つ収納できる。つまり、大人4人でのロングツーリングにも耐える。
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