新型デミオに見る、マツダ快進撃のワケ 見ればカッコよく、乗れば楽しい貴重なクルマ

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スカイアクティブの第4弾となるデミオ。見ればカッコよく、乗れば楽しい

マツダがまたやってくれた――新しいデミオ(海外名「マツダ2」)に試乗した瞬間の感想だ。2012年のCX-5を皮切りに、アテンザ(同「マツダ6」」、アクセラ(同「マツダ3」)と、スカイアクティブ・テクノロジーの搭載に伴ってラインナップを刷新し、そのどれもが高い評価を受けてきたマツダ。スカイアクティブの第4弾となる今回のデミオも、見ればカッコよく、乗れば楽しいクルマだ。

和製コンパクトカーの主流であるトヨタ・ヴィッツやホンダ・フィットは、室内の広さや効率の良さを前面に押し出しており、丸みを帯びている。実用性を優先したスタイリングだ。日産マーチや三菱ミラージュは、最近のコスト削減の要求を受けて新興国で生産しやすい設計に舵を切った。ゆえに、デザインや走行性能の両面で没個性の方向に向かっているのは否めない。

“魂動”デザイン

それだけに、デミオのように「見ても乗ってもワクワクする」コンパクトカーが登場すれば、その成功は約束されたようなもの。筆者の言わんとすることは、写真を見ても一目瞭然だろう。近年のマツダが提唱する“魂動”デザインでは、クルマをただの鉄の固まりではなく、クルマに生命を与えて、エモーショナルで動きのある造形を目指すものだ。そうしたデザイン哲学は、アクセラやアテンザとも共通する。が、今回のデミオのスタイリングは、姉貴分たちのフォルムをただ縮めただけではない。Aピラーを後ろにひき、キャビンを凝縮した形にした。

キャラクターラインの流れをリアタイヤに溜め、そこに凝縮された力を一気に開放して、加速をしていきそうなデザインだ。例えるなら、俊敏な動物が駆け抜けるようなしなやかな躍動感がアテンザ、そこに至る急激な加速感がアクセラ、そして凝縮したエネルギーを開放する前の瞬間の爆発的な動きを表現したのがデミオである。フロントビューは、瞳孔のように見開いたLED4灯に加えて、ハロゲン2灯で親しみやすい表情をつけている。ラジエターグリル、クロームのシグニチャーウイングは、マツダのラインナップと共通する。

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