マツダ、EVでロータリーエンジン復活へ

走行距離を延ばす秘策に

あのロータリーエンジンが復活した。搭載されたのは電気自動車(EV)だ。

マツダは、発電用のロータリーエンジンを用いた電気自動車(EV)の試作車を公開した。これはレンジエクステンダーEVと呼ばれるプラグインハイブリッド車(PHV)の一種で、EVの弱点である航続距離を延ばすために、エンジンで発電しながら走行する。

排気量330cc・シングルローターの小型エンジンと発電用モーター、インバーター、燃料タンクなどで構成したユニットを、2012年からリース販売している「デミオEV」の後部トランクスペース下に搭載した。試作車の基本性能はデミオEVと同等だが、航続距離は満充電で200キロメートルから、満充電・満タン(9リットル)で380キロメートル弱に伸びている。

静かな走りを実現

今回開発したレンジエクステンダーの特長は、ロータリーエンジンを用いることで通常のピストンエンジンを使うよりも、軽量・コンパクトで静粛性を高くした点だ。

一方で、ロータリーエンジンには弱点もある。低回転時の効率が非常に悪く、燃費の悪化につながることだ。マツダはかつてロータリーエンジンを唯一量産していたが普及せず、2012年に生産を終了した苦い経験を持つ。ただ発電用エンジンなら、車速に関係なく効率がよい回転数の範囲のみで使えばよいため、大きな弱点にはならない。同じ出力のピストンエンジンに比べ燃費の悪化は2割程度で済むという。

試作車は、時速10キロメートル以上でエンジンが始動し、車速が上がるのに応じて直線的に回転数を上げる(発電量を増やす)設定となっていた。乗ってみると、前列席ではエンジンの始動・停止の切り替え時に大きな振動や騒音はほとんど感じられない。後列席ではすぐ後ろにエンジンが搭載されているために分かるものの、本格的な防音・防振をしていない試作車と考えれば十分静かだ。

エンジンが起動するタイミングなどについては、常時一定回転させる方式や、速度に合わせて階段状に回転数を上下させる方式も検討したが、振動や騒音と運転感覚とのマッチングなども考慮し、直線的な変化とした。

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