"売れすぎ"が問題に、スバルのぜいたくな悩み 米国での販売台数は5年連続で過去最高の見込み
富士重工業(車名ブランド・スバル)が米国で快走中だ。同社は13年(暦年)の米国での小売り販売台数計画を36万5000台から42万台(前年比8万4000台増)に引き上げたことを明らかにした。5年連続の過去最高更新となる。
今年1~9月の米国での小売り販売は31万3400台と、2年連続で2割強の増加となった。主力車種の「アウトバック」(日本名:「レガシィ アウトバック」)や「レガシィ」(日本名:「レガシィB4」)が安定した売れ行きを見せているうえに、今年3月に米国での販売が始まった新型SUV「フォレスター」や、「インプレッサ」の派生車種である昨年9月投入のクロスオーバーSUV(スポーツ多目的車)「XV」が牽引役となっている。
品薄状態が続く
スバルの車が人気になっている理由は、米国人の好みに合うように車幅や車内空間を広くしている点だ。マーケティングや安全性の側面からの訴求、有力ディーラーが取り扱いを拡大していることも大きい。
米国の順調な販売を受け、富士重は14年3月期の通期業績予想を上方修正し、売上高2兆3000億円(前年比20.2%増)、営業利益2780億円(前年比130.9%増)とした。売り上げ、利益のいずれも過去最高を更新する見込みだ。
ただ、この好調ぶりが富士重の頭を悩ませる事態になっている。生産能力の逼迫だ。決算会見に臨んだ吉永泰之社長は「生産については逐次能力を増強してきたが、1年で約9万台も増えるとは思っていなかった」と“想定外”であることを認めた。同社によれば、米国での全車種の平均在庫(9月末時点)は30日分。売れ筋の「フォレスター」は約15日分と、品薄状態が続いている。
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