従業員のメンタル不調をいたわる労務管理のツボ 会社はどうやって従業員の心を守ったらいいか

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安田:まずは、私自身が職場のメンタルヘルスについて基本的なことを理解して、実際に取り組むときにも参考になるような資料などがあったら教えください。

かなえ先生:厚生労働省が発表した、「労働者の心の健康の保持増進のための指針」から確認してみるといいわね。また、現代社会のさまざまなストレスによって心の病にかかる人が増えていることから、メンタルヘルスをより深く理解したい方向けに情報サイトも設けられているのよ。

◆『こころの耳』働く人のメンタルヘルス ポータルサイト
働く人のこころの健康のためのサイト。働く人、その家族、または会社の皆様向けに「どこに相談すればよいのか」「どのように取り組めばよいのか」「どのような支援があるのか」などの情報を一元化してわかりやすく提供している。
ホームページ:https://kokoro.mhlw.go.jp/

ストレスチェックとは?

安田:山本さんのことで相談したときに、昨年、ストレスチェックを実施したって、高橋先輩に聞きました。ストレスチェックってなんですか?

かなえ先生:ストレスチェックは、ストレスに関する質問票に従業員が記入し、それを集計・分析することで、自分のストレスがどのような状態にあるのかを調べる簡単な検査のことよ。従業員が常時50人以上いる職場では、毎年1回、この検査を実施することが義務づけられているの。従業員50人未満の職場は、ストレスチェックの実施は努力義務よ。

安田:えーと、それは何のためにやるんですか?

かなえ先生:従業員が自分のストレスの状態を知って、ストレスをためすぎないよう対処するためね。ストレスが高い状態であれば医師の面接を受けて助言をもらったり、そこから上司に相談して業務量の軽減などの措置を実施したり、職場の改善につなげることで、うつなどのメンタルヘルス不調を未然に防止することを目的としているの。現在では、テレワーク勤務が増えているから、業務時間中のコミュニケーション不足やプレッシャー、生活環境の変化によるストレスにも要注意ね。

安田:テレワークにも気をつけなければならないことはあるんですね。ストレスチェックの実施義務の対象は、「常時50人以上の従業員がいる職場」ってことでしたが、アルバイトやパートさんも含めてですか?

かなえ先生:週1回しか出勤しないようなアルバイトやパートさんであっても、継続して雇用し、常態として使用している状態であれば、常時50人のカウントに含めるわよ。

安田:では、有期契約労働者やパートさんもストレスチェックの対象になるのですね?

かなえ先生:契約期間が1年未満の従業員や、労働時間が通常の従業員の所定労働時間の4分の3未満のパートさんなどの従業員は義務の対象外よ。

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