従業員のメンタル不調をいたわる労務管理のツボ 会社はどうやって従業員の心を守ったらいいか
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1. 会社は、過重な労働負荷を防いで、適切なメンタルヘルスケアを提供する責任がある
2. 従業員が常時50人以上いる職場では、ストレスチェックを実施する必要がある
3. 従業員の命や安全に配慮しなければいけない安全配慮義務が会社にある
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安田美咲(以下、安田):メンタルヘルスって簡単にいうと、どういうことですか?
漆原香奈恵(以下、かなえ先生):精神面における健康のことよ! メンタルヘルス対策や過重労働対策は、従業員の健康を確保するうえで、最も重要な課題で、会社の社会的責任でもあるの。活力ある職場づくりへの第一歩ね!
従業員の心の健康づくりを
安田:山本さんのメールから、精神的にとてもつらいことが読み取れました。メンタルヘルスってとても大事なことなんですね。今後、同じようなことが起きないようにしなくっちゃ。職場のメンタルヘルス対策ってどんなことですか?
かなえ先生:職場のメンタルヘルスは、従業員の心の健康づくりをすることね。会社は、過労で従業員が倒れたり、自殺したりしないように、度を越えた労働ノルマを防いで、適切なメンタルケアをする必要があるの。
精神障害の発病や自殺に対して業務上の災害として労災請求が認められたり、会社の安全配慮義務違反として損害賠償が行われたりする事例が増えているのよ。
安田:そうなんですか!? 会社が原因で従業員の健康が損なわれたり、争ったりするのはイヤです!
かなえ先生:早期に発見して適切なケアができれば、自殺を予防できる可能性もあるわね。
ちなみに、労災保険の給付対象となるのは、業務が原因となったということで、業務と病気やケガの間に一定の因果関係があり、被災した従業員が労働関係(仕事中)のもとに起きた災害で、医学上療養が必要と認められる場合よ。
安田:大変なことが起きる前に、山本さんから相談してもらってよかったのかも。最善の対応ができるように話し合ったり、会社全体でも職場のメンタルヘルスに積極的に取り組む必要がありそうですね。
かなえ先生:従業員の精神状態が崩れて仕事のパフォーマンスが低下したり、職場の人間関係が悪いと職場内のハラスメント・対立・いじめといった問題が発生してしまうこともあるのよ。
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