現場を無視した過大な数値目標が、従業員の精神をむしばむ
みずほフィナンシャルグループや傘下銀行(みずほ銀行、みずほコーポレート銀行)に設置された行員相談窓口「コンプライアンス・ホットライン」に、このところ“行内いじめ”に対する苦情が相次いで寄せられている。
特に、成績不振の行員や転職組が「徹底してやられている」(事情通)ようだ。
コンプライアンス担当部門では「精神的ないじめや嫌がらせが長期にわたって繰り返されれば心身症やうつ病などにかかる行員が、増加しかねない」として対策を検討している。
ストレス発散のはけ口が弱者へ
こうしたいじめはモラル・ハラスメント(モラハラ)と呼ばれている。加害者側に問題行為を行っている、といった意識がほとんどないことから永続化しやすく、多くの被害者が徐々にかつ静かに心身のバランスを崩していくとされている。
このモラハラ急増の原因についてみずほでは「まだ特定できているわけではない」(関係者)としながらも、背景には前田晃伸会長(=6月22日付で特別顧問に就任)ら前3トップの経営支配が長期にわたって続いたことによる「人心の荒廃があるのでは・・・」とする予想する向きが少なくない。
行内の風通しが悪くなって行員一人ひとりがストレスをため込むようになり、それがある時点で突然、弱者に対して「攻撃的な形で発散されるようになったのかも知れない」(グループ幹部)というわけだ。
みずほの数値目標は達成困難
塚本隆史社長の下で今年5月に打ち出した中期経営計画「みずほの変革プログラム」が遠因、との説もある。