なぜだろうと悩んでいたところ、『エコロジーとテクノロジー』という栗原康先生の本を、東京の八重洲ブックセンターで見つけました。そこには、イトミミズが多い水田には雑草が生えにくい、という内容が書かれていました。イトミミズの糞で雑草の種が覆われ、発芽できなくなるという実験結果が載っていたのです。
どぶ川の生き物であるイトミミズは、田んぼにはいないだろうと思っていました。ところが、調べてみると、10アールで1500万匹以上もいました。さらにイトミミズの排泄物が肥料になることもわかりました。つまり冬の間も水を張り、田んぼにイトミミズがいるようにすれば、農薬(除草剤)を使わなくて済み、肥料も加えなくていいということが発見できたのです。
こうして私は無農薬・無肥料で、冷害に強いコメ作りを確立することができたのです。
いわさわ・のぶお
1932年千葉県成田市生まれ。旧制成田中学(現・成田高校)卒業後、家業の農業に従事。スイカの早期栽培に成功した後、コメ作りを研究。長年の試行錯誤の後、耕さない田んぼで、農薬も肥料も使わずに多収穫のイネを作ることに成功した。日本不耕起栽培普及会会長。
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