どのボスも初見で倒すのはなかなかに難しく、なすすべなくやられてしまうことも。一部のボスはあまりにも強すぎて、「パワーアップが足りていない? どこか探索を見逃しているのでは?」と思ったくらいだ。
これまでのメトロイドシリーズだと、ミサイルゴリ押しでなんとかなる相手も多かったのだが、今作のボスは攻撃力が高く、適切な回避行動を取らないとすぐにやられてしまう。
しかし何度かやられているうちに、徐々に攻撃のパターンがつかめてくる。やがて対処法が見えてきて、最後には相手の動きを完全に見切ったうえで倒すことができる。この達成感が実に心地よいのである。
絶妙な難易度のバランス
E.M.M.I.は捕まれば一撃死。ボスも攻撃力が高く、一撃で多くのエネルギーが奪われてしまう。だから緊張感は極めて高い。
しかし、E.M.M.I.はアビリティをうまく利用して見つからないように移動すればいいし、また見つかっても頑張れば十分逃げ切れる。
ボスの攻撃も確かに強いが、しっかりと見極めて避けることができればダメージは食らわない。簡単とは言えないが、決して理不尽な難易度でもない。このバランス調整が、本作は実に絶妙なのである。
そしてゲームを進めていくうちに、ある種の「信頼」が生まれていく。それは「たとえ今は難しく思えても、何度も繰り返せば必ず倒せる」というゲームデザインに対する信頼である。
この信頼があるからこそ、何度も何度もリトライを繰り返しても「ゲームを続けよう」「あと何回かだけトライしてみよう」という気持ちになれるのである。
高難易度というゲーマー好みのポイントを押さえながら、新規プレイヤーが投げ出さない絶妙な難易度という、一見不可能に思える難題に、メトロイドドレッドというタイトルは見事に応えた。
「難しそうだなぁ」と思って購入を見送っている人がいるとしたら、ぜひともプレイしてもらいたい。難しいことは難しいが、挑戦しがいのあるちょうどいい難易度で、十分満足できるはずである。
最後に1つアドバイス。中盤以降のボス戦のポイントは、できる限り回避に専念しながら、メレーカウンターで反撃できる攻撃を見極めることが重要だ。
メレーカウンターが決まる攻撃は敵の攻撃部分が黄色く光るので、相手の動きをしっかりと見ておこう。メレーカウンターが成功すれば一方的に攻撃できるチャンスが得られるのみではなく、エネルギーやミサイルを回収することができる。特に後半のボスほど長丁場になり、攻撃も熾烈になるので、メレーカウンターのチャンスを逃してはならない。
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