本作をひとまずプレイして、難易度ノーマルでのクリアと、アイテム収集100%を達成した。最も凄さを感じたのは、「難易度調整の妙」だ。
先ほど述べたように、メトロイドドレッドは「ゲーマー向けのゲーム」として認識されている。難易度が低ければゲーマーを失望させてしまうし、真逆にゲーマーだけが喜ぶような高難易度だと新規ユーザーを獲得できず、先細りしてしまう。
メトロイドヴァニアというジャンルには、派手なアクションを繰り返すだけでガンガン進める爽快感がウリのものもあれば、厳しいトラップの配置を覚えてテクニックと経験で避けていくものや、ゲームオーバーを何度も繰り返さなければクリアできない「死にゲー」と言われるものまである。
ゲーマーも新規ファンも満足させる難易度調整は、同ジャンルの開拓者である任天堂に求められる高い目標だった。
笑ってしまうほどゲームオーバーを繰り返す
その高い目標をどう達成したのだろうか? まずはプレイ内容を振り返ろう。
探索のメインとなるマップではザコキャラは出てくるものの、やられる要因はほとんどない。回復ゾーンも多く用意されているし、ザコ敵にメレーカウンター(主人公・サムスの攻撃手段)を当てることで、エネルギーやミサイルをたくさん回収できる。やられるとすれば、間違って深いマグマに落ちてしまうくらいだろう。
したがってプレイヤーは気軽に探索をしながら、隠されたアイテムを探すという、メトロイドというゲームの楽しい部分に専念できる。今作ではアイテムがある場所のマップが光るなど、探索はかなり快適になっている。
一方で、サムスの攻撃が一切効かず、高い運動能力と高い探知能力を持つアンドロイドのE.M.M.I.からの逃走や、節目節目に現れるボスキャラとの戦いでは、つい笑ってしまうほどに何度も何度も何度もやられてしまう。
E.M.M.I.には主人公であるサムスの攻撃は一切効かない。最初は必死に逃げ回るしかなく、捕まればほぼ一撃死が確定する。
唯一の対抗手段はオメガキャノンを手に入れることだが、対抗手段を手に入れた後も、しっかりと手順を踏んで倒さなければならず、慣れないプレイヤーは何度もゲームオーバーを繰り返すことになる。
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