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ラーメン好きな人も知らない「味の地域性」の深奥 名店の追随だけでなく転勤者の文化もあった

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  • 高井 尚之 経済ジャーナリスト、経営コンサルタント
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かつてのように特定のチェーン店が「ご当地の味」を打ち出す例は少なくなった。各地にチェーン展開する「喜多方ラーメン坂内」のような人気店もあるが、総じて特徴を持った個人店が支持される傾向にある。

ラーメンの商品開発にも携わる大崎さんは、こんな本音も明かす。

「昔は、東西で味の好みがはっきり分かれ、強い煮干しベースの味を試作品で提案した時は、西日本の人からの拒否反応が強かったです。でも今は、そうした味も『おいしいかどうか』で受け入れられるようになってきました」

情報発信の拠点として「新横浜ラーメン博物館」(1994年開業)や、各地の商業施設内の「ラーメン街道」のような存在も大きいだろう。前者は「利尻らーめん味楽」(北海道・利尻島)や「熊本ラーメン こむらさき」(熊本県熊本市)といった人気店も集めている。

利尻らーめん味楽の「スパイシー焼き醤油らーめん」(写真:大崎裕史氏提供)
福岡空港内には「ラーメン滑走路」があり、人気店も出店する(2019年、筆者撮影)

アフターコロナで、消費者意識はどう変わるか

外食産業も大打撃を受けたコロナ禍で「ラーメンを食べる」という消費者意識はどう変わっていくのだろうか。大崎さんはこんな見通しを立てる。

「その時の気分と出したい金額で選ぶのではないでしょうか。例えば200円程度なら近所のコンビニで名店カップ麺を買う。外出して店に食べに行き、800~1000円程度支払う。部屋から出たくない時は1600円ぐらい支払ってデリバリーで届けてもらうなど、選択肢も増えました。

2021年はラーメンのデリバリー市場も拡大しました。調理後の配達までに麺が伸びるという欠点を解消するために製麺メーカーも改良商品を開発するなど工夫しています」

かつて大手企業の経営者に「外食に求めるものは何か」を聞いたところ、「自宅の食事では出せない味と雰囲気でしょう」との答えだった。コロナ禍によって消費者の渇望感が今後どう変わっていくか。ラーメンの地域性と向き合いながら、そんなことも考えた。

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