日本人トップは「7億円」、大日本印刷社長の報酬
日本人トップは意外や、印刷会社の社長--。
2010年3月期決算から上場企業に課された「役員報酬の個別開示」。1億円以上の役員報酬については、有価証券報告書への記載が義務づけられている。初めてとなった今回、280人超が対象となったもようだ。
トップは日産自動車のカルロス・ゴーン社長(8億9100万円)で、ソニーのハワード・ストリンガー会長兼社長(8億1450万円)が続く。3位は日本人で、大日本印刷の北島義俊社長(76歳)だった。
今年8月に77歳を迎える北島社長の報酬金額は7億8700万円。内訳は基本報酬が7億5800万円、賞与が2900万円で、ストックオプションや退職慰労金は含まれていない。6月29日には株主総会が開催されたが、役員報酬について株主からの質問はなかったという。
過去の北島社長の報酬は開示されていない。同社の役員報酬総額をたどると、08年3月期以降の3期間は16億~19億円の高水準が続いている。一方で業績は09年3月期に最終赤字を計上し、前期に黒字化したばかりで、過去最高益の06年3月期と比べると半分程度にすぎない。決して業績連動で報酬を決めたわけではないようだ。
北島社長は、大日本印刷を業界トップに引き上げた「中興の祖」である北島織衛前社長の長男。1958年に慶応大学経済学部を卒業後、旧富士銀行に入行。だが「数字をいじるのは向いていない」と、父親が社長だった大日本印刷に入社した。営業担当などを経て、33歳の若さで取締役に昇格、79年には46歳で社長に就く。