エイチーム林社長「多角化戦略」の向かう先

なぜ次々に新規事業が生まれるのか

「プロフェッショナル対談」は、経営共創基盤のマネージングディレクターである塩野誠氏が、次の時代を切り開くリーダーと対談し、キャリアについてのホンネを引き出すコーナーです。4人目のゲストは、スマホゲームを主体としつつも、新規事業を次々に生みだしているエイチーム社長の林高生氏。その後編です。 ●前編はこちら

社長は部長の仕事をしなくていい

塩野:林社長は子どもの頃から起業志向があったそうですが、今、実際に社長をやっていて、「オレが頑張らないと会社はうまくいかない」とか、「こいつらを食わせていかないといけない」という使命感はありますか。

:それが今は全然ないんですよ。社員が10人、20人くらいのときは、すごくそういう気持ちが強かったんですけど。今は技術的なことでも企画力でも、人に伝える能力でも、僕よりすごい社員がたくさんいるので。僕は1年に1回くらい大切な一手を打つイメージです。

塩野:それはベストですよ。日本企業によくある下から上がってくるプロパー社長だと、社長になる訓練ができていないので下に任せきれないことが多い。社長なのに中途半端に部長の仕事をしてしまって、部長がやる気をなくしてしまったりする。そんなふうに年に数回重要な指示を出したら、あとはメールCCだけでOK、みたいなのがあるべき姿ですよ。

:そう言ってもらえるとうれしいです。不安になるときもありますけどね。社員からどう見えるだろうとか。

塩野:見え方は気にされますか。

:そうですね。産業自体が安定産業ではないので、社員も不安になることがあると思うんですよ。そんなとき、僕を見るはずですよね。そういう意味では見え方も気になりますね。

塩野:経営を安定させるためにいちばん気をつけていることは何ですか。

:事業の柱を複数持つということですね。今はゲームなどエンタメ事業のほかに、ブライダルの「すぐ婚navi」、引っ越し会社や中古車査定の見積もりが一括でとれる「引越し侍」「ナビクル」などライフスタイルサポート事業があります。

ゲーム以外に進出する理由

塩野:ライフスタイルサポート事業というのは、これまたゲームと違う分野ですし、なおかつ大手のプレーヤーも多い領域だと思いますが、なぜ進出したのですか。

:携帯の公式サイトを始めたのが2003年の暮れで、その約2年後の2006年にライフスタイルサポート事業を始めたんですけど、その当時、携帯でインターネットをやる人はごく一部のニッチな人たちだったんですよね。やっぱりメインはパソコン。だからパソコンのほうでサービスがつくれないかとずっと思ってたんですよ。始めてみると流行りすたりもないし、やってみたら携帯とまったく真逆の売り上げの推移をするとわかったので。

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