塩野:エイチームはゲーム「ダークサマナー」をすでにグローバルで展開していらっしゃいますが、海外進出などについてはどうですか。
林:これは僕の考え方ですけど、ゲームや音楽などエンタメは国境を越えるんですよ。でもライフスタイルはその国の生活様式に合わせたサービスが必要なので、国境を越えないと思っているんですよね。引っ越しや結婚は、国によって風習が全然違う。ただわれわれがやっている「ラルーン」という女性の生理日予測サービスは国境を越えると思います。
「ラルーン」のスタートは、「不安の解消ってなんだろう」というところから始まっています。女性なら体調、恋愛、友達関係。そういう悩みについてのユーザー同士の相談コミュニティをつくろうというところから始まっているんですね。そういう不安はたぶん世界共通でしょうから、これは海外への展開も始めました。
塩野:誰かの何かを解決するものはニーズがあると思いますが、同じことを考えているライバルは多いじゃないですか。でも勝てると思うのはなぜですか。
林:まず、時間をかけると決めたことですね。女性の生理日予測アプリにはすでに「ルナルナ」があって、われわれは後発だったんですよ。でもビジネスモデルが決定的に違う。向こうは有料課金、われわれは無料・広告モデルでスタートした。
でも体調管理ツールというだけではアクセスが月1回しかないので、広告収入が成り立たない。そこでPVが増えるコンテンツとして、お悩み相談のコミュニティをつくったら、PVが伸びて広告も成り立つということで始めたんです。
塩野:モデルが違うから勝てるのではないかということですね。なるほど。今後もライフスタイルサポート事業は増やしていく方針ですか。
林:そうですね。今も増やしています。最近だと「ナビナビキャッシング」というカードローンの比較サイトをつくりました。これもある程度市場規模が大きくて、それなりに参入障壁が高いんですね。今のわれわれならその壁は越えられなくはない。だから行くべきかなと。
やっぱりゲームをやってると、参入障壁が低いところで戦っているという恐怖がすごく強いので、そうではない事業も持っておきたい。いずれは自分たちで在庫や物流まで持つこともしたいですね。参入障壁が高いと思うので。
くすぶっている人材を再活性化する
塩野:でもリアルなモノを営業する人と、ゲームをつくる人とでは、人材の質が全然違うんじゃないですか。そこはどうされているんですか。
林:そこは中途でも新卒でも「総合職」という形で一定量を受け入れているので、対応してもらいます。あとは採用のときに「エイチームなら新規事業をやれますよ」ということを言っているので、入社2年目くらいの人に異動してもらったりしてますね。
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