音楽で成功した人=最高の仕事人である納得の訳 音楽に不可欠な要素はビジネスにそのまま通じる

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「音楽はすべての扉を開くマスターキー」という意味は?(写真:Fast&Slow/PIXTA)

創造思考: 起業とイノベーションを成功させる方法はミュージシャンに学べ』(パノス・A・パノイ、R・マイケル・ヘンドリックス 著、大田黒奉之 訳、東洋経済新報社)は、ミュージシャン兼プロデューサーであるファレル・ウィリアムスに関するトピックからスタートする。

ポップ・ミュージックに多少なりとも関心のある方なら、彼のことは間違いなくご存じだろう。1990年代にチャド・ヒューゴとのプロデューサーズ・ユニット、ザ・ネプチューンズとして頭角を表し、ソロ名義でも数々の大ヒット実績を樹立。ダフト・パンク、ジェイ・Z、ジャスティン・ティンバーレイク、ロビン・シックらとのコラボレーションを通じて11個ものグラミー賞を受賞、オスカーにもノミネートされた人物だ。

そればかりかデザイン・ディレクターとしても、アディダス、シャネル、リーボック、ティンバーランドのスニーカーを生み出し、ルイ・ヴィトンのメガネと宝石、モンクレールのダウン・ジャケット、コム・デ・ギャルソンの香水も開発している。

ここで紹介されているのは、そんな彼の、スカイプを利用したバークリー音楽大学での講演での一説。彼の価値観が明確に反映されているといっていい。

ビジネスパーソンに求められるべきあり方

「音楽はすべての扉を開くマスターキーなんだ」。ファレルは続けてこうも言った。自分が多くのベンチャー・ビジネスで成功できたのは、レコーディング・スタジオで得たマインドセットのおかげであり、それは自分の直感に従い、他社とコラボし、自分の声を信じ、新たな表現の捌け口を探究することだと。(「PRELUDE」より)

なお、この言葉は本書のコンセプトにもつながっている。それはすなわち、これからの時代の起業家、もっといえば、すべてのビジネスパーソンに求められるべきあり方だ。

端的に言えば、「昨日まで続けてきたことをこれからも続けていけば、なんとなく生きていけるだろう」というような時代は終わったということ。いや、生きてはいけるのかもしれないが、それでは可能性を形にすることはできないのである。

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