「懲役と罰金の両方をヤミ金に課す併料は『利欲犯を犯したらこれだけ取られるので引き合わない』」《東京地検定例会見》

 大谷部長は「東京地検は出資法違反が経済的に引き合わないことを罰金併料によって強く感銘付ける必要があるとの方針のもとに厳しく対処しているが、裁判所でもおおむね厳正な量刑の判決が言い渡されている」と指摘したうえで、「量刑の考慮要素は超過利息額、違法な利率の程度、現実に得た不法利得の額、貸金業における立場、営業時間(稼動時間)、営業規模、同種前科の有無、被害弁償の有無などが総合考慮されている」と付け加えた。 

09年5月~12月の間に刑事部が出資法違反で公判請求した事案で09年度内に判決が出たのは60件。うち経営者に関する判決は19件で、実刑2件、執行猶予付きが17件。実刑のうち懲役1年の事案は無店舗営業で携帯電話によるヤミ金業者で、執行猶予中(詐欺罪)の犯行。懲役4年の事案は偽造罪と併合審理されたもの。

懲役   件数
 1年    1件(実刑)
 1年6月   2件
 2年    3件
 2年6月   4件
 3年   8件
 4年   1件(実刑)

これら19件に併料された罰金は以下のとおり。このうち2400万円の事案は約5年半にわたり従業員2人を雇用しヤミ金業を営んでいた経営者で1日当たり3.26~11.11%の利息を受領していたほか、被害弁償はなかった。1500万円の事案は約1年半にわたり従業員6人を雇用しヤミ金業を営んでいた者で1日当たり最高17.45%の利息を受領していた。被害を弁償し示談が成立していたが1500万円の罰金が科された。この罰金を払えないことから1年近い労役刑に服している。労役刑の上限は2年。

罰金       件数
 100万~500万円   6件
 600万円     4件
 800万円     2件
 900万円     2件
 1000万円     2件
 1200万円     1件
 1500万円     1件
 2400万円     1件

09年5月~12月の事案のうちヤミ金業者の従業員に対する判決が出ているのは40件で、実刑は2年4月の1件。実刑判決を受けた被疑者は、組織的なヤミ金グループの店長として店舗の業務全般を統括し、1日2~13%の利息を他人名義の口座に振り込み送金させて受領させていた。執行猶予中(麻薬および向精神薬取締法違反)の犯行だった。

懲役       件数
 8月~1年6月未満  8件
 1年6月       12件
 2年        13件
 2年4月       1件
 2年6月       5件
 3年        1件 

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