「懲役と罰金の両方をヤミ金に課す併料は『利欲犯を犯したらこれだけ取られるので引き合わない』」《東京地検定例会見》

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併料された罰金は20万~600万円。大谷部長は「経営者はともかく、単なる従業員に罰金を併料することはヤミ金事案以外では珍しく、この点でも裁判所の厳しい姿勢が表れている」と指摘する。罰金600万円の併料となった従業員は開店当初から従業員として5年以上ヤミ金に従事し、犯行により得た利益も多額であると認定された事案。一部被害弁償し示談も成立しているにもかかわらず併料となった。

罰金
 20万~100万円未満  11件
 100万~200万円未満 16件
 200万~300万円未満 10件
 300万円        2件
 600万円        1件

大谷部長は06年の「『組織的な犯罪の処罰および犯罪収益の規制等に関する法律』の一部改正で、出資法違反による違法収益はそれまで没収・追徴の対象ではなかったが、本改正によって没収・追徴が可能になった。没収・追徴した金銭は被害者等に支給することになった」としたうえで、「東京地検でも7月下旬ころに没収金の支給を開始する」とした。7月下旬の給付予定金は735万5593円。08年7月25日に給付開始決定があった五菱会ヤミ金事件の給付資金は29億5000万円余で、申請人約7000人、資格裁定者約5500人。

「ヤミ金事件の件数は今後増えるか」との記者の質問に対し、大谷部長は「増えると思う。ここ数年、増えている」と回答していた。

山田 雄一郎 東洋経済 記者

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やまだ ゆういちろう / Yuichiro Yamada

1994年慶応大学大学院商学研究科(計量経済学分野)修了、同年入社。1996年から記者。自動車部品・トラック、証券、消費者金融・リース、オフィス家具・建材、地銀、電子制御・電線、パチンコ・パチスロ、重電・総合電機、陸運・海運、石油元売り、化学繊維、通信、SI、造船・重工を担当。『月刊金融ビジネス』『会社四季報』『週刊東洋経済』の各編集部を経験。業界担当とは別にインサイダー事件、日本将棋連盟の不祥事、引越社の不当労働行為、医学部受験不正、検察庁、ゴーンショックを取材・執筆。『週刊東洋経済』編集部では「郵政民営化」「徹底解明ライブドア」「徹底解剖村上ファンド」「シェールガス革命」「サプリメント」「鬱」「認知症」「MBO」「ローランド」「減損の謎、IFRSの不可思議」「日本郵政株上場」「東芝危機」「村上、再び。」「村上強制調査」「ニケシュ電撃辞任」「保険に騙されるな」「保険の罠」の特集を企画・執筆。『トリックスター 村上ファンド4444億円の闇』は同期である山田雄大記者との共著。

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