伝わるパワポ作るなら実は「地味な色使うべき」訳 「ノイズを減らす」ことで記憶に残りやすくなる

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この考え方は、グラフの作成においても非常に重要になります。Excelのデフォルトの設定だと、青やオレンジ、グレーなどといった色が採用されますが、下のグラフを見ていただくとわかるように、このままだと目が泳いでしまい、このグラフで何を伝えたいのかがよくわかりません。

(画像:筆者作成)

そこで、まず一度全体をグレーにしてみましょう。グラフを選択して、「グラフのデザイン」⇒「色の変更」でモノクロにします。

そして、グラフの目立たせたい部分を一度だけクリックして選択された状態にしてから、図形・枠線の塗りつぶしで色を変えます。

(画像:筆者作成)

すると、重要な要素(ここで言うAさんの構成比)だけが目立ち、言いたいことがぱっと伝わりやすいグラフを作ることができます。

(画像:筆者作成)

データを解釈し、意味を付与して相手にわかりやすく伝えたいときは、このようなひと工夫が非常に重要になります。意図的にデータを加工して相手を誤解させるようなグラフを作ってはダメですが、何が言いたいのかよくわからないグラフも同じくらいダメです。

相手に解釈させるということは、相手の時間を奪うということ。データの解釈が求められている場においては、自分が考えた解釈をきちんとスライド上に表現するようにしましょう。

究極の理想は色に頼らない

さて、ここまで色の削り方に関して述べてきましたが、究極の理想は「そもそも色に頼らない」ということです。色に頼る前に、そのスライドはモノクロで印刷しても言いたいところが伝わるか? 大きさやレイアウトなどで表現できないか?を一度考えてみる癖を付けるとよいでしょう。

例:マーカーの大きさで目立たせる

(画像:筆者作成)

例:点線にして目立たなくする

(画像:筆者作成)
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