《プロに聞く!人事労務Q&A》管理職に対しても、育児・介護の短時間勤務や所定外労働免除をしたほうがいいですか?
回答者:石澤経営労務管理事務所 石澤清貴
育児・介護休業法の改正により、2009年6月30日以降、常時100人を超える労働者を雇用する企業については、3歳未満の子を養育する労働者に対する「短時間勤務制度の設置」および「所定外労働の免除(残業の免除)」が義務化されます。
「短時間勤務制度」は、3歳未満の子を養育しながら働いている労働者から申し出があった場合に、1日の所定労働時間を原則として6時間とする措置を含むものとしなければなりません。「原則として6時間」というのは、6時間を原則としながらも、その会社の実態として、たとえば通常の所定労働時間が7時間45分の場合に短時間勤務の所定労働時間を2時間短縮して5時間45分とする場合が考えられるため、5時間45分から6時間までの所定労働時間の差を許容範囲とすることを意味しています。
他方、「所定外労働の免除」は、3歳未満の子を養育する労働者から請求があった場合に、その労働者について所定労働時間を超えて労働させることはできないとするものです。なお、業務の繁忙上、会社としてこれに応ずることが難しい場合もあり、その請求が「事業の正常な運営を妨げる場合」は、例外として、この請求を拒むことができることとされています。
「短時間勤務制度」および「所定外労働時間の免除」は、いずれも、労使協定等で適用除外される者を除き、3歳未満の子を養育する労働者については、男女を問わず適用され、また配偶者が専業主婦であるか否かを問わず適用されます。さらに、すでに育児休業を取得した労働者であっても同休業終了後、3歳未満の子を養育している場合には適用対象となります。また、いずれの措置も、会社の就業規則等で労働者が労働すべき時間として定められている時間(所定労働時間)についての労働に対する措置義務であり、法定労働時間(原則1週40時間、1日8時間)を前提としたものではないことに注意しなければなりません。