フランス人が考える離婚後の「父親」の重要な役割 子どもとの関係続けていくために必要な事とは

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ステファンは、離婚を経験している多くのフランスの父親同様に2週間おきに娘と生活をし、休暇の半分を一緒に過ごしています。娘が月曜日の朝、家を出るとき彼は、「子どもたちの関係は近頃、より強く、個人的なものになってきた」と感じると言います。

一緒の住んでいた時は娘にも自身の予定があり、家で顔を合わせていたものの、同じ時間を共有しているわけではありませんでした。しかし、今娘といる時は、完全に同じ時間を共有することができていると言います。

ステファンさんのように、離婚後のほうがはるかに興味深い関係性を築くことができている、と話す父親は少なくありません。それは、一緒に住むよりは短時間かもしれませんが、より濃密な時間を過ごせるようになったからでしょう。

ある日突然、子どもが現れた

デザイナーのCCは上記の人たちとは少しちがう経験をしています。彼によると、ある日突然、誰かが玄関のチャイムを鳴らし、ドアを開けるとそこには20歳の青年が立っていました。彼はなんとCCの息子だというのです。実はCC自身、子どもがいることを知りませんでした(元パートナーから伝えられていなかったのです)。

今では父子2人の名前が社名となっている会社を2人で経営しています。CCは息子の幼少期に子育てや教育にまったくかかわることができなかったわけですが、それでも2人の大人としての関係を築き始めればいいのです。

子どもは両親を持つ権利を有していますし、両親を必要としています。実父は子どもにとってかけがえのない役割を担っています。両親が別れることになったとしても、子どもにはどちらの親ともつながる権利があります。

ドラ・トーザン 国際ジャーナリスト、エッセイスト

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Dora Tauzin

フランス・パリ生まれの生粋のパリジェンヌ。ソルボンヌ大学、パリ政治学院卒業。国連本部広報部に勤務ののち、NHKテレビ『フランス語会話』に出演。日本とフランスの懸け橋として、新聞・雑誌への執筆、テレビ・ラジオのコメンテーター、講演会など多方面で活躍。著書に『フランス式いつでもどこでも自分らしく』『パリジェンヌはいくつになっても人生を楽しむ』『好きなことだけで生きる』などがある。2015年、レジオン・ドヌール勲章を受章。公式ホームページはこちら、 Facebookはこちら

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