東映の経理から「科捜研の女」現場へ転身の道のり 有終の美を毎回飾る気持ちでいつも心に退職届

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アシスタントからプロデューサーになって本格的にドラマづくりに携わるようになると、『科捜研の女』や『警視庁捜査一課9係』などの人気番組を担当させてもらえるようになりました。

(C)2021「科捜研の女 -劇場版-」製作委員会

『科捜研の女』は自分もずっとテレビで見てきた作品だったので、そのチームに参加できることになってすごくうれしかった。

プロデューサーになって痛感したこと

でも、プロデューサーになってから痛感したことがあります。やっぱり私、「この仕事、向いてない」って、アシスタントだった頃以上に思うようになったんですよ(笑)

プロデューサーって、「対人関係構築力がすべて」みたいな職業。脚本家、テレビ局の方、制作スタッフに、役者さんたち……作品づくりや作品の宣伝に関わるありとあらゆる関係者たちと連携をとって、話をまとめていかなければいけない。

そのために、毎日いろんな人と電話して、足を運んで会って話して、コミュニケーションにコミュニケーションを重ねて仕事をしていきます。

でも、そういうことがまったくうまくできなかったんです。

(写真:Woman type編集部)

相手に気を使ったつもりが余計に関係をこじらせたり、意図せず相手を怒らせて交渉が滞ったり、大小あらゆる判断ミスが積み重なって……自分の何が悪いのかすらよくわからないまま、​​自己嫌悪でいっぱいの日々でした。

よく考えたら、私は社交的とは真反対の人間。友達は少ないし、小さい頃から図書館で静かに本を読んで過ごすとか、1人でテレビを見るとか絵を描くとか、そういうことが好きなタイプでした。

コミュニケーションや、人と人の間に立つ調整・交渉業務って、昔から“苦手科目”だったんですよ。

そういえば、経理の仕事って1人で作業する時間が比較的多いんです。そういう意味で、「やりたい」ことではなかったはずの経理の仕事が結果的にすごく楽しかったのは、「得意」で「向いていること」だったからなんだ……。

そんなことに気付いたりもしました。

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