東映の経理から「科捜研の女」現場へ転身の道のり 有終の美を毎回飾る気持ちでいつも心に退職届
そんな私のプロデューサー生活の1つの集大成となるのが、2021年9月3日から公開される『科捜研の女 -劇場版-』。
放送開始から20年が過ぎた『科捜研の女』にとって初の映画化で、今回私たちが目指したのは、科捜研版・アベンジャーズです。
本作には、『科捜研の女』の長い歴史を支えてくれた歴代キャストが総出演。ありがたいことに、脚本の段階で想定していたキャストの方には皆さん出演していただけることになりました。
実は、初めは半信半疑だったんですよ。これだけのそうそうたるキャストですから、「全員出演できるか」という話をよく脚本の櫻井(武晴)さんとしていて。
でもふたを開ければ、忙しい方ばかりなのに皆さん快くスケジュールを空けてくださった。“科捜研愛”を感じられて、うれしい限りです。
個人的には、シーズン3以来の出演となる渡辺いっけいさん演じる倉橋のシーンがお気に入りの1つです。
倉橋は、沢口靖子さん演じるマリコの元夫。さらっとした会話の中に、かつて結婚して、そして離婚した男女の機微がしっかり描きこまれていて。
マリコらしいむちゃ振りに振り回される倉橋のアタフタをコミカルに描きつつ、そこから事件が一気に動き出していく。すごくマリコと倉橋らしいシーンになったので、ぜひ注目していただきたいです。
目の前のことに全力で
『科捜研の女』の公開を前に今すごくワクワクしています。やっぱりここまでプロデューサーの仕事を続けてきてよかった。
学生時代夢見た未来とは少し違うし、向いてないから失敗ばかりだし、想像していた自分よりだいぶ格好悪いけれど、それでもやりたいことをやれている実感はある。
「向いてないことはやらないほうがいい」って言う人もいるけど、私はそうは思わない。向いていようといなかろうと、お客さんに作品を見てもらう瞬間の快感のせいで、「辞められない」というのが本心です。
ただ、元々は「向いてない」ことだったとしても、それで何だかんだ続けてこられちゃってること自体が、大きな意味でいえば「向いている」ということなのかもしれない。
相変わらず胃がキリキリすることも多い毎日ですけど、どうせ最終的には楽しくて辞められないんだから、もう、走り続けるしかないですね。
取材・文/横川良明 撮影/赤松洋太 企画・編集/栗原千明(編集部)
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