東映の経理から「科捜研の女」現場へ転身の道のり 有終の美を毎回飾る気持ちでいつも心に退職届

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そんな中、最初の転機が訪れました。入社3年目、『北のカナリアたち』という映画の企画が動き始めて、私もそこに加わることになったんです。

異動の打診を受けたときは、心の中で「やったー!」って叫びましたね。ついに作品づくりに関われるぞ!って。

シナリオハンティングに同行したり、映画に出演する子役のオーディション準備とか、歌のうまい子を集めるために全国の音楽教室にチラシを送るとか、そういう補助的な業務ばかりでしたけど、何でも張り切ってやりました。

初めて入ったドラマ撮影の現場では…

そこからさらに、社内で出した企画が採用されて、映画からテレビドラマの現場に移ることが決まって。プロデューサー補佐として初めてドラマ撮影の現場に入ったのですが、そこで衝撃を受けました。

想像していた以上に、かなりハードな現場だったんです。スケジュールがタイトな撮影だったので、睡眠時間は毎日3時間くらい。働けど働けど、仕事が全然終わらない。締め切りは迫ってくる。

(写真:Woman type編集部)

現場に出て役者さんを撮影場所まで案内する仕事がよくあったのですが、方向音痴なものですぐ行き先を間違えるし。そんな感じなので、しょっちゅう先輩やスタッフにも怒られて。

私がおろおろして不安そうにしているものだから、「この人大丈夫なの? ほかの人にしてくれないか」ってはっきり言われたことも……。せっかく夢見た場所に近づいたのに、「華やかな毎日」どころか、「ボロボロな毎日」が始まりました。

でも、毎日怒られながらも、少しずつできるようになっていることはあったんです。「トランシーバーの使い方を覚えた」とか、「撮影場所への道順を覚えた」とか……。

ささいなことでも、「できるようになったこと」「成長を感じたこと」を励みにしながら、何とか周りに食らいついていきましたね。

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