東映の経理から「科捜研の女」現場へ転身の道のり 有終の美を毎回飾る気持ちでいつも心に退職届
私の学生時代の夢は、脚本家になることでした。もともと女優の原田美枝子さんの大ファンで、当時ファンレターは100通以上出したかな(笑)
その頃から「いつか原田さんとお仕事がしたい」と思うようになり、書くことが好きということもあって、脚本家を目指すことにしたんです。
ただ、脚本家としてデビューするのはそう簡単なことではありません。そこで、ひとまず映画会社に就職しようと考えました。
入社して最初に配属になったのは…
脚本のことしか頭になかったので、面接を受けたときは映画の配給会社が何をしているとか、プロデューサーがどんな仕事をしているとか、あまりわかっていませんでした。それでよく内定をいただけたな、と思いますが……(笑)
ただ、東映に入社して最初に配属になったのは、なんと経理部でした。ドラマや映画づくりに早速携わっている同期もいたので、うらやましかったですね。
でも、腹を決めて経理の仕事を一生懸命やり始めたら性に合っていて、すごく楽しくなっちゃったんですよ。
社内の先輩が簿記の2級を取ったという話を聞いて、じゃあ私は1級を取るぞと決めて、仕事終わりにファミレスでこっそり猛勉強したりして。
脚本家の夢を忘れたわけではないけれど、経理の仕事を楽しんでいるうちに、あっという間に時間が過ぎていきました。