3000万円の差も!家の売却で「損する人・得する人」 不動産会社の選び方ひとつでこうも変わる

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「また、例えば敷地内に防火水槽などがある場合、それが買い手にとっての懸念点にならないよう、まず取り出してから売り出しましょうといった物件の弱みを解消できる戦略を提案できるかどうかも、担当者の力の見せどころです。これらの内容をもとに売り出し価格を決めますが、中古物件には価格の交渉もつきもの。ある程度の値引き価格も想定したうえで、納得のいく金額を相談しましょう」

最初の不動産業者選びが命運を分ける

売り出し価格が決まれば、販売活動がスタート。内覧の申し込みもあるため、物件の掃除なども欠かせない。

売却時の査定は2段階。まずは立地や築年数などの情報で大まかな簡易査定をしてから、実際に物件を見て詳細査定を行う(写真:週刊女性PRIME)

「内覧は、とにかく第一印象が重要。室内の照明は全部屋つけておき、明るいイメージを演出するだけで印象はガラリと変わります。特に見学者様が気にされる水回りをきれいにしておくと好印象です。引っ越しの準備も兼ねて、家財道具の整理や掃除を進めておくことは大切ですね」

購入希望者が現れたら、契約条件を調整し契約の準備に入る。必要な書面の確認や手続きなど、煩雑な作業も多いため、ここでも担当者のサポートが不可欠だ。

「売却は、価格・期日・諸条件の3つをしっかりと納得したうえで決断する必要があります。価格はもちろん、引き渡し期日が買い手・売り手の双方で折り合うか、エアコンなどの設備を残してほしいといった細かな諸条件を受けるかどうかなども、売買成立に直接関わってきます」

こうして流れを追ってみると、やはり最初の不動産業者選びが命運を分けるといっても過言ではない。これまで数々の売り主と対峙してきた山本さんに、最後にお得にマイホームを売り抜ける人の特徴について教えてもらった。

「自分の物件の相場を知っておくことは重要です。基本的な知識を身につけている賢い売り主さんには、ウソやごまかしは通じないので、“プロとして満足してもらえるように頑張ろう”と担当者も奮い立つものです。また、全体のスケジュールに余裕を持って売却を考えているかどうかも大切。売却を焦って足元を見られないように、計画的に進めることが重要です」

ライフプランを考えるうえで重要なマイホーム。余裕を持った計画こそが、何より損をしないコツとなる。

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