大半の人が騙される「不動産」不都合なカラクリ

業界を知り尽くすプロたちが明かす現実

不動産流通システム代表の深谷十三氏(左)と、漫画『正直不動産』の原作者である夏原武氏(右)に、不動産ビジネスのあり方を伺いました
不動産会社・登坂不動産のエース営業マンである永瀬財地(ながせ・さいち)、35歳。ふとしたきっかけでウソがつけなくなった永瀬が暴露する、不都合な現実とは?
そんなセンセーショナルな内容で話題の漫画『正直不動産』の原作者である夏原武氏と、業界に精通する不動産流通システム代表の深谷十三氏に、業界の現状について語り合ってもらった。

コロナ禍にかこつけて囲い込みを強化

夏原:深谷さんを最初に取材させていただいたのは、『正直不動産』の連載が始まった直後のことでしたね。

深谷:もう3年前になりますね。つまり連載が3年以上続いているということになります。すばらしいですね。

夏原:それだけ不動産業界はネタが尽きないということです(笑)。

深谷:それは言えるかもしれませんね。最近も新たな囲い込み(※1)の口上がはやっているんです。

【注】※1囲い込み
売却の依頼を受けた不動産業者が、自社で両手仲介を実現したいなどのために、他の不動産業者からの買い主紹介を意図的に制限すること

以前は買い手が現れても、「商談中です」などとウソをついて購入申し込みを断るのが定番だったんですが、今は「売り主様が医療従事者なので、コロナ関連で忙しく連絡が取れないんです」と言ったり、売り主に対して「うちはPCR検査を受けている客しか紹介しません。ほかの不動産業者の客は安全面で保証できませんよ」などとコロナ禍にかこつけて囲い込みを強化したりしていますね。

夏原:客と不動産屋の情報の非対称性が、そういった詐欺まがいのことがまかり通ってしまう要因の1つですね。

深谷:まさにそうですね。やはり不動産の売買など、通常は生涯でそう何度も行うものではありません。属性にかかわらず、ほとんどの方が不動産関連の知識がありませんからね。

例えば契約の際は宅建士が重要事項の説明を行い、最後に重要事項説明書と契約書に記名してハンコを押す必要があります。これは宅建業者のイロハのイとも言うべき決まりです。しかし、宅建士でない営業マンが説明を行ったり、説明を端折ったりしても、知識がないエンドユーザー(末端消費者)は、そこに疑問を持つことすらありません。

夏原:重説の際、最初の数行だけ読み「ここは、こういった関係のことが書いてあります」「あくまで何かあったときのためです」などと言って端折るのが常套手段ですよね。

深谷:ええ。いかに重説を早く終わらせるか競っている業者もあります。言い方は悪いですが、不動産業者からしたら、知識のないエンドユーザーは赤子のような存在なんです。ですから私が読者の方にお勧めするのは、不動産屋に相談する際、最初の雑談中に「『正直不動産』という漫画をいつも読んでるんですよ」と話すこと。それだけで、「この客は一定の知識があるんだ」と伝わりプレッシャーになります。

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