3000万円の差も!家の売却で「損する人・得する人」 不動産会社の選び方ひとつでこうも変わる
なかには両手仲介に固執するあまり、ほかの不動産会社に対して売り物件の情報を故意に隠したり、他社からの購入希望を握りつぶしたりといった「囲い込み」が起きてしまうことも。どちらも広く買い手を探したい売り主にとっては背信行為だ。
いい不動産業者の見極め方
「できるだけ高く売りたい売り主と、できるだけ安く買いたい買い主という、利益が相反する二者を一度に抱えることは、初めから無理がありますよね。時には買い主の希望を優先して、売り主に物件の値下げを“助言”するようなことも考えられます。
片手仲介であれば売り主の利益だけのために忠実に動いてくれるので、片手仲介に応じてくれるか確認することは、信頼できる不動産会社かの判断材料になります」
多くの人は、住所や築年数などの情報で価格をざっくりと査定する「簡易査定」を頼む段階で初めて不動産会社と接触することになる。近年ではインターネット上で物件の情報を打ち込むだけで、複数の不動産会社による一括簡易査定を行えるサービスもよく利用されているが……。
「不動産会社が無料の簡易査定を行うのは、そのまま自分の会社と売却のための媒介契約をしてもらいたいため。一括査定をしたあと、複数の会社からのしつこいセールス攻勢に悩まされるというケースも後を絶ちません。よくわからない一括査定よりは、大手、中堅、中小といった毛色の違ういくつかの会社を自分で選び、それぞれで簡易査定をすることをおすすめします」
よく「この物件を買いたいお客様がいます!」といったチラシがポスティングされていることもある。こういった定型のうたい文句を使ってくる業者にも注意が必要だ。
「媒介契約をとるための“まき餌”であることが多く、本当に買いたい人がいたとしてもその不動産会社で有利な売却ができるかは別問題です。簡易査定のあとにも“実はもう購入希望のお客さんがいますよ”とささやかれて、媒介契約を急かされることもあるかと思いますが、あまり真に受けないほうがいいでしょうね」
簡易査定をすませたら、さらに2~3社に絞って、訪問査定を依頼することになる。実際に物件を見てより詳細な査定額を出してもらう流れだが、初めて営業担当者と対面する機会にもなる。この担当者との相性もとても重要だ。