3000万円の差も!家の売却で「損する人・得する人」 不動産会社の選び方ひとつでこうも変わる

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とはいえ、コロナ禍の社会不安のなか、親の住まいや自分がシニア期に暮らす場所について悩む人も多いだろう。総合不動産会社ミライアスの山本健司さんによると、同社に寄せられた不動産の相続に関する相談は、昨年比で3倍ほどにもなっているという。

相続した一軒家を安価で売却させられるケースが(写真:週刊女性PRIME)

「相続した物件があるものの、もっと手入れのしやすいコンパクトな家に住み替えたいという高齢の方や、今後相続が発生したときのために住宅まわりのことをきちんと整理しておきたいという方からのご相談も増えています。また、親が認知症になりはじめてしまい、慌てて今後の対策を始めた方も多いです」(山本さん、以下同)

先述した詐欺まがいの強引な契約以外にも、売却を仲介してもらう不動産業者とのミスマッチによって「大損」をするケースも考えられる。

「不要に契約を急がせる不動産業者は残念ながら今でも存在します。不動産業者から“今なら1億円で買い取れる”と言われたという物件売却の相談を受けたことがあります。物件の弱点になっていた近隣トラブルなどをきちんと解消し、売り出し条件をしっかり整えてから改めて売却先を探したところ、1億3000万円で売却できた事例となりました」

このように、不動産会社の選び方次第で3000万円の差が生まれることも。

よく見るうたい文句は大ウソ!?

マイホーム売却で損をしないポイントと段取りを山本さんに詳しく教えてもらった。

「不動産売却で最も重要なのは、頼りになる不動産会社を選べるかどうか。名前の知られた大手なら絶対に安心というわけではなく、地元で厚い信頼を得ている中堅の業者や、高い志や発想力で勢いのある中小の業者など、不動産会社といってもいろいろなバリエーションがあります」

不動産会社を選ぶうえで特に気をつけたいのが「両手仲介」に対する考え方だという。

自宅売却トラブルが急増。自分が売り主の場合クーリングオフができないので、安易な契約は慎重に(写真:週刊女性PRIME)

「ひとつの物件の売買取引で、1社の不動産会社が売り主と買い主の双方を仲介することを両手仲介といいます。これに対して、売り主と買い主のそれぞれに別の不動産会社が入って仲介を行うことは、片手仲介と呼ばれています」

両手仲介ができれば、不動産会社は売り主と買い主の双方から仲介手数料を貰うことができる。そのため、積極的に両手仲介を狙っていく不動産会社は多い。

次ページなかには両手仲介に固執するあまりに…
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