松本人志「マヂラブ漫才は消える魔球」発言の真意

2020年M-1「あれは漫才なのか論争」を振り返る

(写真:natuto10 / PIXTA)  
今なお「お笑いの中心的存在」であり続けるタモリ、たけし、さんまのビッグ3、先鋭的な笑いを追求して90年代に台頭したダウンタウン、M‐1グランプリから生まれた新潮流、そして「お笑い第7世代」……。
新著『すべてはタモリ、たけし、さんまから始まった』では、日本社会の「笑い」の変容と現在地を鋭く描き出しています。本稿は同書より一部を抜粋・編集しお届けします。

「あれは漫才なのか」論争

2020年の『M‐1グランプリ』には史上最多となる5081組がエントリーし、決勝の模様は12月20日に全国で生放送され、平均視聴率19・8%という高視聴率を記録した。歴代で見ても、3番目に当たる記録である。すっかり年末の風物詩、一大イベントとして定着したことを改めて感じさせる。

優勝したのはマヂカルラブリーだった。ボケ役の野田クリスタルに、ツッコミ役の村上のコンビである。2017年にも決勝進出を果たしているが、このときは10組中最下位で、その際の審査員・上沼恵美子の「よう決勝残ったな」といった手厳しい講評が話題にもなった。マヂカルラブリーにとっては、そのときの借りを返したかたちである。優勝と最下位の両方を経験したコンビは、大会史上、彼らだけというおまけもついた。

ところが、この決勝で彼らが披露したネタをめぐって論争が起こった。まだ記憶に新しいところだが、マヂカルラブリーのネタに対して少なからぬ視聴者がSNSなどで「あれは漫才なのか」などと書き込んだところ、「あれは漫才だ」といった反論がなされたのである。しかもそれは視聴者だけにとどまらず、松本人志など、当日の審査員や他のお笑い芸人をも巻き込んでの大論争に発展した。

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